NY原油市況=小反落、世界的な景気悪化懸念は根強い

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
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ニューヨーク原油(NYMEX)
              始 値     高 値   安 値   帳入値   前日比
  2025/05     61.58       62.06       60.88       61.33        - 0.20
  2025/06     61.09       61.57       60.38       60.75        - 0.30
  2025/07     60.60       61.09       59.90       60.22        - 0.37
  推定出来高        前日出来高      前日取組高 (前々日比)
     未入電              1,015,893             1,913,416    ( - 4,705)
                     帳入値  前日比
      ヒーティングオイル    2025/05     207.84    - 1.33
                            2025/06     203.86    - 0.94
         改質ガソリン       2025/05     202.44    + 0.22
                            2025/06     201.66    + 0.08
注:4本値は立会い取引終了までの値段で、立会い取引終了後の電子取引の値段は含み
  ません。電子取引が立会い取引までの高値および安値を更新した場合、相場表の高
  値および安値と市況内の相場表の4本値は異なります。
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 ニューヨーク原油の期近は小反落。終値の前営業日比は、期近2限月は0.30〜
0.20ドル安。その他の限月は0.50〜0.37ドル安。
 トランプ米大統領が相互関税の対象から電子機器を除外すると発表したことや、メキ
シコやカナダから輸入する自動車・部品に対する25%の追加関税の見直しを検討して
いることから、貿易戦争の激化懸念はやや落ち着いているが、中国との経済的な対立は
悪化しており、景気悪化見通しは相場を引き続き圧迫した。トランプ米政権による半導
体や医薬品に対する関税が発動する見通しであることも懸念要因。
 米国への経済報復を続ける中国政府が、中国国内の航空会社に対して米ボーイングの
航空機を追加納入しないよう指示したと伝わったことは懸念要因。航空関連の機器や部
品も購入停止の指示があったという。米国と中国の対立が深まるなかで、中国は欧州連
合(EU)との距離を縮めており、欧州航空機大手エアバスに乗り換える動きとみられ
ている。
 国際エネルギー機関(IEA)が今年の需要見通しを従来の前年比・日量103万バ
レル増から同73万バレル増に下方修正したことは重しだが、弱気な見通しは想定内
で、反応は限定的だった。一方、IEAは今年の供給見通しを従来の前年比・日量
150万バレル増から、同130万バレル増へ引き下げた。
 時間外取引で5月限は62.06ドルまで強含むが、前日終値から離れる動きは続か
ず、通常取引開始を控えてマイナス転換した。一時60.88ドルまで下げた。通常取
引開始後はプラス転換したが上値は重く、マイナス圏で推移する時間帯が多かった。た
だ、時間外取引の値幅を維持しつつ下値は広がらず、引けにかけては下げ幅を削った。
 改質ガソリンの期近3限月は小幅続伸。ヒーティングオイルの期近は反落した。原油
の売り買いがやや交錯したなかで、石油製品の足並みは揃わず。
今日の材料
・トランプ大統領は中国側にボールがあると述べている=レビット米報道官
・中国は米国と取引を行う必要=同上
・ベトナムはBRICSパートナーシップについて議論する用意=声明
・米原油在庫の市場予想は前週比170万バレル減
・米石油協会(API)が引け後に発表した米週間石油在庫統計
・原油在庫は前週比240万バレル増
・ガソリン在庫は同300万バレル減
・留出油在庫は同320万バレル減
・オクラホマ州クッシングの原油在庫は前週比34万9000バレル減
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