[今日の視点]貴金属=総じて反落、NY安と円高で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、総じて反落して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク安と円高を受けて
売り優勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨーク安と円高を
受けて軟調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は2.53ドル安の
3326.83ドル、銀が4セント高の3255セント、プラチナが0.50ドル高の
966.00ドル、パラジウムは0.59ドル安の959.98ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=142.36/38円で、前営業日の
大引け時点から0.36円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が1万5315円前後、銀は152.5円前後、プラチナ
は4375円前後、パラジウムは4400円前後。
【NY金は連休前の利食い売りが圧迫】
 金はきのうの海外市場では、連休を控えて利食い売りが出た。
 金は利食い売りが圧迫要因になった。日米の関税交渉の進展期待に加え、聖金曜日に
よる休場を控えて利食い売りが出た。関税を巡る日本との協議について、トランプ米大
統領が「大きな進展」があったと述べた。一方、中国商務省は米国に対し、貿易交渉を
行うのであれば、中国に「極端な圧力」をかけることを止め、相互尊重を重視すべきだ
と主張した。トランプ米大統領は、米国が中国に対する大規模関税を発表して以降、中
国側から協議の申し出があったと明らかにした。記者団に対し、米国は中国と関税につ
いて協議を行っているとし、中国との「ディール(取引)」は実現すると思うと語っ
た。また米大統領は、ワシントンを訪問したイタリアのメローニ首相と会談した。メロ
ーニ氏はトランプ氏と良好な関係を維持しており、両首脳は共に、相互関税の上乗せ部
分の一部の国・地域に対する90日間の一時停止措置が終了する前に、米国と欧州は何
らかの「ディール(取引)」を交渉できると自信を示した。
 3月の米住宅着工件数は年率換算で前月比11.4%減の132万4000戸だっ
た。市場予想の142万戸を下回った。4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は
マイナス26.4と前月の12.5から低下した。市場予想は6.7。国際通貨基金
(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、貿易摩擦や国際貿易体制の広範な変化を受け
て、IMFの経済予測が大幅に下方修正されるとの見通しを示した。ただ世界的な景気
後退は予想しなかった。景気減速懸念を受けてドル安に振れたことは金の下支え要因に
なった。
 トランプ米大統領は数カ月にわたり、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の
解任について私的に協議してきた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)
によると、トランプ氏はケビン・ウォーシュ元FRB理事とこの件について話し合い、
パウエル氏の後任としてウォーシュ氏を起用する可能性について言及した。ウォーシュ
氏はパウエル議長解任の試みに反対し、任期を全うさせるべきだとトランプ氏に助言し
た。パウエル議長の任期は2026年5月まで。米大統領は米連邦準備理事会(FR
B)に早期利下げを要求している。
 銀はきのうの海外市場では、金に利食い売りが出たことを受けて売り優勢となった。
【NYプラチナは金の利食い売りもドル安で下げ一服】
 プラチナはきのうの海外市場では、金軟調につれ安となったが、ドル安を受けて下げ
一服となった。
 プラチナは金に利食い売りが出たことが圧迫要因になったが、ドル安を受けて下げ一
服となった。米中の貿易戦争激化に対する懸念も下げ要因である。ただ日米の関税交渉
が開始され、進展期待も出ている。一方、米住宅着工件数やフィラデルフィア連銀製造
業景況指数の落ち込みを受けてドル安に振れた。前週末からニューヨークの指定倉庫在
庫が減少しており、実需筋の買い戻しも入りやすい。
<今日の予定>
●豪州、香港、欧米、南ア(聖金曜日)
・消費者物価指数 2025年3月(総務省)
・建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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