【場況】 金が反落。ニューヨーク安と円高を受けて売り優勢で始まった。その後は、円高一服 が下支えになった。銀の商いは成立しなかった。 午前11時1分現在の前営業日比は、金標準が55〜33円安、金ミニが149.0 〜33.0円安、ゴールドスポットが341円高、銀が出来ず。 午前11時1分現在の出来高は、金が2万3156枚、金ミニが1万2210枚、ゴ ールドスポットが1815枚、銀が0枚。 【NY金は連休前の利食い売りが圧迫】 金は利食い売りが圧迫要因になった。日米の関税交渉の進展期待に加え、聖金曜日に よる休場を控えて利食い売りが出た。関税を巡る日本との協議について、トランプ米大 統領が「大きな進展」があったと述べた。一方、中国商務省は米国に対し、貿易交渉を 行うのであれば、中国に「極端な圧力」をかけることを止め、相互尊重を重視すべきだ と主張した。トランプ米大統領は、米国が中国に対する大規模関税を発表して以降、中 国側から協議の申し出があったと明らかにした。記者団に対し、米国は中国と関税につ いて協議を行っているとし、中国との「ディール(取引)」は実現すると思うと語っ た。また米大統領は、ワシントンを訪問したイタリアのメローニ首相と会談した。メロ ーニ氏はトランプ氏と良好な関係を維持しており、両首脳は共に、相互関税の上乗せ部 分の一部の国・地域に対する90日間の一時停止措置が終了する前に、米国と欧州は何 らかの「ディール(取引)」を交渉できると自信を示した。 3月の米住宅着工件数は年率換算で前月比11.4%減の132万4000戸だっ た。市場予想の142万戸を下回った。4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は マイナス26.4と前月の12.5から低下した。市場予想は6.7。国際通貨基金 (IMF)のゲオルギエワ専務理事は、貿易摩擦や国際貿易体制の広範な変化を受け て、IMFの経済予測が大幅に下方修正されるとの見通しを示した。ただ世界的な景気 後退は予想しなかった。景気減速懸念を受けてドル安に振れたことは金の下支え要因に なった。 トランプ米大統領は数カ月にわたり、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の 解任について私的に協議してきた。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ) によると、トランプ氏はケビン・ウォーシュ元FRB理事とこの件について話し合い、 パウエル氏の後任としてウォーシュ氏を起用する可能性について言及した。ウォーシュ 氏はパウエル議長解任の試みに反対し、任期を全うさせるべきだとトランプ氏に助言し た。パウエル議長の任期は2026年5月まで。米大統領は米連邦準備理事会(FR B)に早期利下げを要求している。 金先限は夜間取引で1万5094円まで下落した。ニューヨーク安と円高が圧迫要因 になった。円相場は1ドル=141円台後半まで円高に振れた。 【ドル建て現物相場】 金のドル建て現物相場は、動きなし。きのうの海外市場では、連休を控えて利食い売 りが出た。アジア市場では、豪州や欧米の休場を受けて動きがなかった。 午前11時現在、金が3326.83ドル、銀は3254セントで推移(NY市場終 値)。前営業日の大引け時点は金が3329.36ドル、銀が3251セント。 MINKABU PRESS
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。