穀物4品見通し=コーンは米産地の作付遅れ懸念と輸出堅調で底堅く推移

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
<大豆>
 シカゴ大豆5月限は4月7日から11日にかけて続伸し969.50セントから
1040セント前後まで値を切り上げた後は1040セント前後でのもちあいとなって
いる。
 米トランプ政権の関税政策に対し中国が報復関税を発動し、米中貿易戦争が激化する
なか、米国の中国向け大豆輸出は減少が見込まれている。中国向け大豆輸出の減少を見
越して米国の今春の大豆作付面積が3月末に米農務省(USDA)が発表した作付け意
向面積(8349.5万エーカー)程度か、それ以下まで減少との見方が広がっている
ことが下値支持要因。
 米中貿易戦争に関しては、それぞれの国からの輸入関税を米国が145%、中国が
125%まで引き上げたうえ、中国側は米国の中国からの輸入関税引き上げ措置には
最後まで付き合う、としながらもこれ以上の関税引き上げに対しては否定的な見解を
示したことで材料には織り込み感が強いと見られることもあって再び大きく値を落とす
可能性は低く、16日の安値1028セントを支持線に下値堅く推移すると予想する。
<コーン>
 シカゴコーン5月限は4月に入ってから急速に地合いを引き締めて11日には
490.75セントと2月27日以来の水準まで浮上。その後は480セントを下値
支持線にしての高もみが続いており、下値の強さを感じさせる動きとなっている。
 米産地では作付期を迎えているものの、過剰な降雨による冠水や低温が続いているこ
とで、米産地でのコーン作付遅れが懸念される状況が続いている。今週も20日にかけ
て降雨が予想されているため、引き続き作付遅延が警戒される状況が続きそうだ。
 一方の輸出に関しては、米国の相互関税の発動による影響が懸念されるものの、中国
向けのコーン輸出比率は低く米中貿易戦争が米国のコーン輸出に与える影響は限られる
うえ、米農務省(USDA)発表の週間純輸出成約高も100万トン台が続くなど、強
気な内容を維持。
 米産地の天候が回復すれば作付けが一気に進行し、生育不安が後退する可能性はある
が、目先は降雨過剰による作付ペースの鈍化懸念や強気な輸出に支えられ、今月10日
の安値473セントが支持線になるとみる。連休明けの21日と作付け進捗報告の影響
を受ける22日の取引に注目したい。
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