ドル円は142円付近まで下落 ドル安のほか円高も加わる=NY為替概況 きょうのNY為替市場、NY時間に入ってドル安が優勢となった。根強いドル安のほか、本日はそれに円高も加わり、ドル円は142円ちょうど付近まで急速に下落。今週は日銀決定会合が開催されるが、アナリストからは、日銀が追加利上げに慎重姿勢を示したとしても、円は上昇する余地があるとの指摘が出ている。 米関税措置を踏まえ、日銀は今年度の経済成長率と、生鮮除くコアインフレの見通しを引き下げる見込みだが、来年度の見通しではインフレが目標に近い水準を維持する見込みで、これらは追加の利上げを示唆するという。しかし、世界的な成長減速に伴い、円はさらに上昇する可能性が高いと指摘している。 円の魅力は安全資産としての地位を超えたものとなっているとの指摘も一部から出ている。関税の不確実性がドル離れを再燃させ、米国の例外主義への疑問を招く中、円資産はG10通貨の中で勝者となる可能性があるという。日本経済のサイクルが10年前と比べてより好転していること、金融政策の正常化、そして安定した制度も円の魅力を高めているという。さらにバリュエーションも要因と指摘している。 ユーロドルは1.14ドル台に上昇。1.14ドル台には上値抵抗が形成されているようだが、下押す動きまではない中、再び上値を試す動きが出ている。 本日はECB理事のレーン・アイルランド中銀総裁の発言が伝わっていたが、米貿易関税によりインフレが2%の目標を下回る可能性があり、これが追加利下げの理由となる可能性があると指摘。必要に応じて、大幅利下げを排除すべきではないことも述べていた。 市場は、ECBが6月の理事会で追加利下げを実施する可能性が高く、年内にさらに2-3回の利下げが予想されている。これは、トランプ関税がユーロ圏の経済とインフレ目標に持続的な打撃を与えると見られているため。 ポンドドルは上値追いが続いており、1.34ドル台を回復。再び昨年以来の高値水準に上昇している。ポンドは対ユーロでも上昇。ポンドは力強い動きが続いているが、今週は目立った英経済指標の発表もなく、外部要因に左右されそうだ。トランプ大統領の発言はもちろんのこと、第1四半期の米GDP速報値や、PCE価格指数、金曜日の米雇用統計など主要な米経済指標だとの見方も出ている。 アナリストは、世界的な貿易摩擦の悪化がリスク敏感なポンドに圧力をかける可能性があるとも指摘していた。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。