株価指数先物【引け後】 ショートポジション圧縮の動きが意識される

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪6月限
日経225先物 36810 +260 (+0.71%)
TOPIX先物 2687.0 +3.0 (+0.11%)

 日経225先物(6月限)は前日比260円高の3万6810円で取引を終了。寄り付きは3万6730円と、シカゴ日経平均先物清算値(3万6845円)にサヤ寄せする形で買いが先行した。現物の寄り付き直前につけた3万6650円を安値にロングが強まり、前場中盤に3万7010円まで買われる場面もみられた。買い一巡後は上げ幅を縮め、前場終盤にかけては3万6650円~3万6750円処で推移。現物の後場開始後にレンジを上抜け、終盤に3万6950円まで切り返したが、3万7000円には届かず、引けにかけては持ち高調整のロング解消により上げ幅を縮めた。

 日経225先物は3万7000円を回復した後は上げ幅を縮めているが、13週移動平均線(3万6570円)が支持線として意識された。同線を上回って終わるのは、1月3週(1月20日-24日)以来となる。赤沢亮正経済財政再生相はベッセント米財務長官らと関税を巡る2回目の協議を終えた。貿易拡大などで具体的な議論を行ったとし、次回協議は5月中旬で調整する。詳細は明らかにされなかったこともあり、報道が伝えられた後はロング解消の動きとなったようだ。ただし、中国商務省は米国との通商協議の可能性を検討しており、米中協議への期待からショートは仕掛けづらく、押し目狙いのロング対応に向かわせている。

 日銀の利上げ時期が遠のくとの見方により、為替市場で円相場が1ドル=145円台と円安に振れて推移していたことも安心感につながったとみられる。13週線を下回ったとしても、ボリンジャーバンドの+1σ(3万6100円)と75日線(3万6990円)でのレンジが意識されやすいだろう。楽観は禁物だが、日本の連休期間中に米中対立が和らぐようだと、連休明け後に上のバイアスが強まる可能性がありそうだ。

 昨年11月以降は3万8000円~4万円辺りのレンジでの推移が続いたが、トランプ政権による相互関税への警戒が強まり、2月下旬辺りからレンジを切り下げていた。3万8000円処が意識されてくるようだと、これまで積み上がっていたショートポジションを圧縮させる動きが加速するとみておきたい。

 NT倍率は先物中心限月で13.69倍に上昇。前日に25日線突破からボリンジャーバンドの+1σ(13.63倍)を捉え、本日は+2σ(13.70倍)水準まで切り上がってきた。週足では1月下旬以降は13週線に上値を抑えられる形状である。同線は13.74倍辺りまで下がってきたため、同線を上抜いてくると、NTショートを巻き戻す動きが強まりそうだ。

 手口面(6月限:立会内)では、日経225先物はABNクリアリン証券が2万0028枚、ソシエテジェネラル証券が1万4484枚、サスケハナ・ホンコンが4817枚、バークレイズ証券が2837枚、JPモルガン証券が2615枚、日産証券が1886枚、ゴールドマン証券が1864枚、モルガンMUFG証券が1797枚、SBI証券が1744枚、野村証券が1536枚だった。

 TOPIX先物は、ABNクリアリン証券が2万3040枚、ソシエテジェネラル証券が2万2538枚、モルガンMUFG証券が5373枚、バークレイズ証券が4572枚、JPモルガン証券が4523枚、ゴールドマン証券が3565枚、サスケハナ・ホンコンが2605枚、ビーオブエー証券が1449枚、みずほ証券が1214枚、野村証券が1022枚だった。

株探ニュース

このニュースの著者

Kabutan

有望株(銘柄)の発掘・選択をサポートするサイトです。株価 ニュース 決算 テーマや企業情報などが満載。 株価変動要因となる情報や株式の売買タイミングに役立つ情報、迅速な投資判断ができる仕組みを提供します。