金・銀午前=金が続伸、ムーディーズの米国債格下げで

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【場況】
 金が続伸。ムーディーズの米国債格下げを受けて買い優勢で始まった。その後は、買
い戻し主導で上昇したが、円高やドル建て現物相場の上げ一服を受けて上げ幅を縮小し
た。銀は8月限が夜間取引で下落した。
 午前11時2分現在の前営業日比は、金標準が26〜153円高、金ミニが
166.5円安〜121.0円高、ゴールドスポットが532円高、銀が0.5円安。
 午前11時2分現在の出来高は、金が2万6494枚、金ミニが1万9970枚、ゴ
ールドスポットが2737枚、銀が1枚。
【週明けの金は米国売りが支援】
 金はドル高が圧迫要因になった。4月の米輸入物価指数は前月比0.1%上昇。資本
財コストの急増がエネルギー製品の価格低下を相殺し、予想外の上昇となった。5月の
米ミシガン大消費者信頼感指数速報値は50.8に低下し、市場予想の53.4を下回
った。ただ1年先の期待インフレ率は7.3%と、1981年11月以来の水準に上昇
した。
 米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは、米国の長期発行体格付けと無担保優
先債格付けを最上位の「Aaa(トリプルA相当)」から「Aa1(ダブルAクラ
ス)」に1段階引き下げたと発表した。格下げの理由について「歴代の米政権と議会
は、巨額の年間財政赤字と金利負担の増加傾向を反転させる措置で合意できなかった」
と指摘した。週明けは米国売りが再開し、金の下支え要因になった。
 トランプ米大統領は17日、ロシアのプーチン大統領およびウクライナのゼレンスキ
ー大統領と19日に個別に電話協議を行う予定だと明らかにした。トルコで16日に行
われたロシアとウクライナによる約3年ぶりの直接交渉は大規模な捕虜交換で合意した
ものの、ウクライナが要求する停戦で合意できなかった。
 金先限は夜間取引で1万5288円まで上昇した。ムーディーズの米国債格下げが支
援要因になった。円相場は1ドル=144円台後半まで円高に振れた。
【ドル建て現物相場】
 金のドル建て現物相場は、上げ一服。前週末の海外市場は、ドル高を受けて売り優勢
となった。アジア市場では、ムーディーズの米国債格下げを受けて3248ドル台まで
上昇したのち、上げ一服となった。
 午前11時現在、金が3217.87ドル、銀は3240セントで推移。前営業日の
大引け時点は金が3215.54ドル、銀が3236セント。

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