[5月26日からの1週間の展望] −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 週間高低(カッコ内は日) 2026 年 4 月限 5 月 19 日〜 5 月 23 日 始 値 高 値 安 値 帳入値 前週末比 金 15,085 15,509 (22) 14,886 (19) 15,461 +361 銀 155.0 157.5 (22) 155.0 (19) 157.0 +2.0 プラチナ 4,467 4,780 (22) 4,458 (19) 4,764 +291 パラジウム 4,500 4,700 (21) 4,500 (19) 4,700 +200 ====================================== NY貴金属(カッコ内は限月) | 東京外為・株式/NY原油 22 日終値 前週末比 | 終 値 前週末比 金 ( 6) 3,295.0 +107.8 | ドル・円 143.53 1.61 円高 銀 ( 7) 3,321.9 +86.5 | 日経平均 37,160.47 -593.25 プラチナ ( 7) 1,080.7 +90.5 | NY原油 ( 7) 61.20 -0.77 パラジウム ( 6) 1,026.40 +66.80 |* ドル・円は15時45分現在、原油は 22日 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 【前回のレビュー】 金は米中の貿易合意も景気減速懸念が下支え、とした。 金はムーディーズの米国債格下げなどを受けて米国の財政赤字拡大に対する懸念が高 まったことから買い優勢となった。現物相場は9日以来の高値3344.79ドルを付 けた。金先限は14日以来の高値1万5509円を付けた。 米格付け会社ムーディーズ・レーティングスは、米国債の信用格付けを最上位の「A aa」から「Aa1」に1段階引き下げた。米国の債務と財政赤字の急増が背景にあ る。フィッチ・レーティングスとS&Pグローバル・レーティングが既に引き下げてお り、影響は限定的とみられたが、ムーディーズは米金融大手JPモルガン・チェースや バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴの長期信用格付けも引き下げた。 160億ドルの米20年債入札の需要は軟調となり、最高落札利回りは5.047%に 達した。20年債利回りは一時5.125%と2023年11月初旬以来の高水準とな った。またトランプ米大統領の大型減税を盛り込んだ税制・歳出法案が下院で可決され た。議会予算局によると今後10年間で連邦債務が3兆8000億ドル程度増える見込 みである。米10年債利回りは2月13日以来の高水準となる4.60%を付けた。 4月の米輸入物価指数は前月比0.1%上昇した。資本財コストの急増がエネルギー 製品の価格低下を相殺し、予想外の上昇となった。3月は0.4%下落していた。5月 の米ミシガン大消費者信頼感指数速報値は50.8と4月確報値の52.2から低下 し、事前予想の53.4を下回った。一方、1年先の期待インフレ率は7.3%と、前 月の6.5%から急上昇し、トランプ米大統領が強硬に進める予測不能な貿易政策の経 済的影響を巡る懸念が続いていることを示唆した。米新規失業保険申請件数は前週比 2000件減の22万7000件だった。事前予想は23万件で雇用の伸びが5月も安 定したペースとなった。5月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は52.1 と前月の50.6から上昇した。米中貿易戦争の休戦を受けて回復したものの、米大統 領による広範な関税政策を背景に価格指数が上昇した。ただ米連邦準備理事会(FR B)のウォラー理事は、米政権の貿易関税政策が低めの水準で落ち着けば、利下げを検 討できるとの考えを示した。 【金ETF残高は増加】 世界12カ国に上場している金ETF(上場投信)の現物保有高は22日時点で 1111.96トンとなり、前週末比4.77トン増加した。米国で5.16トン増 加、英GBSで0.18トン、英ETFSで0.14トン、オーストラリアで0.08 トン減少した。米国の財政不安を受けて投資資金が戻った。一方、米商品先物取引委員 会(CFTC)の建玉明細報告によると、5月13日時点のニューヨーク金の大口投機 家の買い越しは16万1209枚となり、前週の16万2497枚から縮小した。今回 は新規買いが746枚、新規売りが2034枚出て、1288枚買い越し幅を縮小し た。 ウクライナのウメロフ国防相は、トルコのイスタンブールで行ったロシアとの約3年 ぶりの直接交渉の次のステップは、ウクライナとロシアの首脳会談になるとの考えを示 した。両国はそれぞれ1000人の戦争捕虜を交換することなどで合意した。トランプ 米大統領は19日、ロシアのプーチン大統領との電話会談で即時停戦を迫ったが、同意 を得られなかった。米大統領は欧州首脳らとの電話会談で、プーチン大統領にはウクラ イナでの戦争終結の意思がないと伝えた。主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁 は、カナダ・バンフでの会合で、世界経済の「過度の不均衡」に対応すると確約する共 同声明を採択した。対ロシア制裁を強化する可能性も表明した。 【銀はドル安や金堅調が支援】 銀の現物相場はドル安や金堅調を受けて買い優勢となり、4月3日以来の高値 33.68ドルを付けた。米国の財政赤字拡大に対する懸念を受けてドル安に振れた。 ただ米国債の李周りが上昇するなか、株安に振れており、景気の先行き懸念が強まる と、上値を抑える要因になりそうだ。米国と各国の貿易協議の行方も確認したい。 22日のニューヨークの銀ETF(上場投信)の現物保有高は前週末比217.77 トン増の1万4132.67トンとなった。一方、米商品先物取引委員会(CFTC) の建玉明細報告によると、5月13日時点のニューヨーク銀の大口投機家の買い越しは 4万7754枚となり、前週の4万9252枚から縮小した。手じまい売りが買い戻し を上回った。 当面の予定(イベント・経済統計) 26日 ●英国(スプリング・バンク・ホリデー)、米国(戦没将兵追悼記念日) 景気動向指数 2025年3月改定状況(内閣府) 27日 中国工業利益 2025年4月(国家統計局) 米個人所得・支出 2025年4月(商務省) 米耐久財受注 2025年4月速報値(商務省) 米ケース・シラー住宅価格指数 2025年3月(S&P) 米消費者信頼感指数 2025年5月(カンファレンスボード) 28日 政策金利公表(NZ準備銀行) 独雇用統計 2025年5月(連邦雇用庁) 米FOMC議事録公表 5月6-7日(FRB) 29日 ●フランス、スイス(キリスト昇天祭) 政策金利公表(南アフリカ準備銀行) 米国内総生産 2025年1-3月期改定値(商務省) 米新規失業保険申請件数(労働省) 米中古住宅販売仮契約指数 2025年4月(全米不動産協会) 30日 労働力調査(失業率) 2025年4月(総務省) 鉱工業生産指数 2025年4月速報(経済産業省) 小売業販売額 2025年4月速報(経済産業省) 独消費者物価指数 2025年5月速報(連邦統計庁) 米卸売在庫 2025年4月速報値(商務省) シカゴ購買部協会景気指数 2025年5月(シカゴ購買部協会) 米消費者信頼感指数 2025年5月確報値(ミシガン大) 建玉明細報告(CFTC) MINKABU PRESS 東海林勇行 ※投資や売買については御自身の判断でお願いします。
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