ゴム週間週間見通し=上値重い展開、米金融不安に注意

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
【前週までのレビュー】米中通商協議が進展したことで、目先の強材料が出尽くしとな
り、今後は10連騰に対する調整場面になるとみた。
【上値の重い展開】
 JPXゴムRSS3号は、高値圏でのもみ合いとなった。活発限月の期中10月限
は、14日までの10連騰後、2営業日の調整安を挟んだ後、再び騰勢を強め20日に
は328.5円まで上値を伸ばした。その後は315〜325円前後でのレンジ相場と
なっている。今後は、米中通商協議の進展次第だ。ただ、ウクライナ問題や米国のメガ
減税法案の進捗をみると、トランプ米大統領の影響力がやや弱まっているように見え
る。さらに、米財政悪化への懸念から米国債が売られており、金融不安を招く可能性が
ある。米国発の金融不安となれば、ゴム相場にとっても弱材料となる。
【中国の小売売上高は鈍化】
 19日に中国国家統計局から発表された4月の小売売上高は、前年同月比5.1%増
加となった。ただ、伸び率は3月の5.9%から鈍化した。また、同時に発表された4
月の鉱工業生産は同6.1%増となったものの、同指標も伸び率は前月3.3%増から
鈍化した。
 また、今回の中国の景気減速の大きな要因とされる不動産バブルの崩壊だが、1−4
月の不動産開発投資は前年同期比で10.3%減少しており、依然として同国の景気は
厳しい状況にあるようだ。市場では、追加支援策を期待する声が高まっている。中央政
府がタイミングよく追加支援策を打ち出さない場合、回復基調の香港ハンセン指数や中
国の商品市場の弱材料となるだろう。
【上海ゴムはレンジに押し戻される】
 上海ゴムの中心限月の9月限は、4月中旬から続いた1万4500〜1万5000元
前後のレンジ相場に押し戻された。13日の夜間取引を1万5240元で終えると、1
4日の日中取引では、1万5310元まで水準を引き上げた。同日の終値は、1万51
55元となり、終値ベースでも1万5000元を上抜いた。だが、買いは続かず、19
日に終値ベースで1万5000元を割り込むと、その後は1万5000元以下での取引
時間が長くなっている。レンジブレイクがダマシに終わったため、次は下押しの可能性
が高い。
【東京ゴム活発限月の10月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の10月限は、買いが優勢となっている。4月からの値動
きをみると、4月2日(日本時間3日午前5時)に発表された米トランプ政権の相互関
税を受けて3日から大きく水準を引き下げ、9日には290.0円まで下落した。14
日に303.8円まで戻したが、買いは続かずに23日285.0円の一代の安値を付
けた。その後は、285〜295円前後で強もちあいとなっていたが、4月28日から
10連騰となり、5月15日には320.5円まで上昇した。19日に306.9円ま
で押し後、20日には328.5円まで上値を伸ばした。その後は、315〜325円
前後でのレンジ相場となっている。
 再び地合いを引き締めると、20日の高値328.5円が最初の関門。高値更新とな
れば、現状、特に目立った抵抗線が見当たらないことから、節目の330円や335円
を意識した展開になるとみる。一方、下落となれば、20日の安値315.0円が支持
になる。同水準を割り込むと、19日の安値306.9円や節目の300円が意識され
る。
【今週の注目ポイント】
 トランプ大統領の動向に注目したい。「メガ減税」法案が米下院を僅差で通過した
が、上院では大幅な修正を求められる可能性が高い。トランプ米大統領の政策により、
米国は再びトリプル安となる場面がみれている。再び金融・政治不安が高まれば、ゴム
相場にとって弱材料になる。
【相場予想レンジ】
 5月26〜30日のJPXゴムRSS3号10月限の中心レンジ予想は300〜34
0円。テクニカルの支持線は306.9円(5月19日の安値)、抵抗線は328.5
円(5月20日の高値)。
    MINKABU PRESS
    ※投資や売買は御自身の判断でお願いします。

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。