【来週の注目材料】今年3回目の利下げへ=豪準備銀行(RBA)金融政策会合

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
【来週の注目材料】今年3回目の利下げへ=豪準備銀行(RBA)金融政策会合

 8日13時半ににオーストラリア準備銀行(中央銀行)金融政策会合の結果が発表されます。豪中銀は今年3回目の利下げが濃厚となっています。前回5月に続いて連続利下げとなります。

 豪中銀は政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR)をコロナ過で0.1%まで引き下げた後、世界的なインフレの進行もあり、2023年11月に4.35%まで金利を引き上げました。その後米、欧州、NZなどが2024年夏ごろから利下げに回る中で4.35%を維持してきましたが今年2月に0.25%の利下げを実施。4月の据え置きを経て、前回5月19日、20日の会合で今年2回目の利下げを実施し、現在3.85%となっています。

 前回の利下げ自体は想定通りでしたが、6月3日に公表された会合の議事要旨でややサプライズがありました。議事要旨では5月の会合で0.25%利下げに加え、0.50%の利下げを議論していたことが示されました。トランプ関税を受けた世界的な貿易混乱のリスクを受けて景気を支える姿勢を強化する中銀の姿勢が示された形です。声明の中で(米関税政策が)豪州経済に顕著な悪影響を及ぼしている兆しは見られないと示し、労働市場は依然として逼迫、インフレは目標の中央値に安定的に戻っていないと示している段階での0.5%利下げ検討だけに、中銀のハト派姿勢が印象付けられました。

 前回会合後の豪指標をみると、6月4日発表の豪第1四半期GDPは市場予想及び前回昨年第4四半期を下回る前期比+0.2%となりました。6月19日発表の5月豪雇用統計は雇用者数が予想外のマイナス0.25万人。25日発表の5月月次消費者物価指数(CPI)は市場予想及び4月の+2.4%を下回る+2.1%と、いずれも厳しい数字が並んでいます。

 こうした状況を受けて短期金利市場では今回の0.25%利下げを約95%織り込んでいます。金利先物市場では少し割合が落ちますが、それでも約90%が利下げを織り込み、専門家予想では約87%が利下げを織り込んでいます。

 なお、少数派といえ据え置き見通しが残っていることには注意が必要です。大方の予想通り0.25%の利下げとなりOCRが3.60%となった場合 注目は声明などでの今後の姿勢です。短期金利市場では65%程度が8月の追加利下げを織り込んでいます。8月に見送った場合でも9月までには利下げを実施するという見方がほぼ100%、年内では今回を含め3回の利下げが見込まれている状況です。

 声明などの姿勢でこうした見通しに変化が生じるようだと要注意。前回の中銀の姿勢から、慎重姿勢が強く示されて、利下げ期待が強まる可能性があり、その場合は豪ドル売りとなります。

MINKABUPRESS 山岡

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