時間外取引でニューヨーク原油8月限は前日比0.31ドル高の66.88ドルで推 移。本日これまでのレンジは66.64〜67.13ドル。 今晩の海外原油は反発か。米ベーカー・ヒューズが発表する米石油掘削リグの稼働数 は一段と減少する可能性が高く、世界最大の産油国である米国の減産見通しが相場を支 えるだろう。米国のシェールオイル生産量は日量900万バレル超で推移しており、減 産が始まると影響は大きい。 本日発表される国際エネルギー機関(IEA)の月報では、これまでと同様に供給過 剰見通しが示されるだろう。権威的なIEAの供給過剰見通しに市場参加者の認識が左 右されるなら、引き続き相場の重しである。 ただ、石油輸出国機構(OPEC)が指摘するように、IEAの予測に基づくなら石 油在庫は年々拡大しているはずだが、そのような在庫は見当たらず、データ上でしか存 在しないミッシング・バレルは見過ごせない問題となっている。当てにならない見通し が相場を圧迫し、石油市場を乱す主因となっているためである。IEAの供給過剰見通 しには需要の過小評価がつきものであり、最終的には上方修正される運命にあるが、都 合の悪い数値を数年間の間をおいたうえで修正しつつ、目先の供給過剰を煽り続けるの は悪質でしかない。権威であるIEAに従順なメディアが、拡声器のようにIEAの供 給過剰見通しを拡散し市場参加者に植え付けるのは非現実的な世界のように見えるが、 実際に市場参加者の認識を歪ませている可能性が高い。 <今夜の予定> ◆ トルコ ◆ 【経済】16:00 国際収支 2025年5月(トルコ中央銀行) ◆ フランス ◆ 【経済】15:45 消費者物価指数 2025年6月確報(INSEE) ◆ アメリカ ◆ 【経済】7/12 03:00 財政収支 2025年6月(財務省) 【農産】7/12 01:00 世界穀物需給見通し(USDA) 【農産】7/12 01:00 農産物生産高(USDA) 【商品】7/12 04:30 建玉明細報告(CFTC) ◆ カナダ ◆ 【経済】21:30 雇用統計 2025年6月(カナダ統計局) MINKABU PRESS
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