【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における7月8 日時点の大口投機家の売り越しは481万9533枚となり、前週の475万0433 枚から拡大した。取組高合計は4694万4325枚となり、前週から18万3174 枚(0.4%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が0.6%増、債券 合計が0.1%増、為替合計が2.0%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 0.7%増、エネルギー合計は1.1%増、金属合計は2.5%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で手じまい売り、新規売 りが出て売り越しを拡大、債券で新規売りが新規買いを上回って売り越しを拡大した。 為替は新規売りが新規買いを上回って買い越し(ドル売り)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、米大統領が各国に関税率通知を開始し、貿易摩擦に対する懸念が出た。ただ 交渉期限を8月1日まで延長する大統領令に署名した。当面は交渉の行方が焦点であ る。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が11万6155枚買い越し(前週12万 7338枚買い越し)、ユーロは12万0596枚買い越し(同10万7537枚買い 越し)、英ポンドは3万3194枚買い越し(同3万1399枚買い越し)となった。 ユーロは新規買いが新規売りを上回って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油が石油輸出国機構(OPEC)プラスの生産増加見通しが圧迫要 因になったが、イスラエルのイラン攻撃の可能性を受けて押し目を買われた。金は米大 統領の関税率通知開始や銅の関税引き上げを受けて買い優勢となった。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が20万9374枚買い越し(前 週23万4693枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨ ーク金は20万2968枚買い越し(同20万1980枚買い越し)に拡大、ニューヨ ーク・プラチナは2万0774枚買い越し(同2万2642枚買い越し)に縮小した。 金は新規買いが新規売りを上回り、プラチナは手じまい売り、新規売りが出た。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが14万1762枚売り越し(前週15万 5526枚売り越し)、大豆は3万8068枚買い越し(同4万1333枚買い越し) に縮小した。コーンは買い戻しが手じまい売りを上回り、大豆は手じまい売り、新規 売りが出た。前週のコーンは、米産地の良好な成育を受けて売り優勢となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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