ユーロ売り一巡、米欧貿易交渉の行方待ち ユーロドルは1.16台後半=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ユーロ売り一巡、米欧貿易交渉の行方待ち ユーロドルは1.16台後半=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ユーロ売りが一巡している。週末にトランプ米大統領が「EUとメキシコに30%関税警告、より良い条件で交渉できない場合8月1日から適用」と述べたことが週明けオセアニア市場でユーロ売りを広げた。ただ、ショック的な値動きは一時的にとどまり、東京市場以降は売買が交錯も下値が堅くなった。ユーロドルは1.16台半ばから後半、ユーロ円は171円台後半から172円台乗せへ。対ポンドでもユーロは先週末終値水準を回復している。EUは米国との交渉が不調に終わった場合の対抗措置について話し合っている。ただ、EUは米国と本日この後話し合うとしており、期待もつないでいる。ポンドは対ユーロでの上昇を解消する動き。ベイリー英中銀総裁が雇用市場の悪化次第では大幅な利下げの可能性を示唆したことが、売り圧力となっている。ドル円は東京市場では146円台後半から147円台半ばにかけて振幅したあと、ロンドン時間には147円台前半とやや円高・ドル安水準で落ち着いた取引となっている。米欧貿易協議の行方に加えて、明日の米消費者物価指数発表を控えて、市場は次第に動きにくい状況となってきているようだ。

 ドル円は147円台前半での取引。東京朝方に147.57近辺まで買われたあと、午前中には146.86近辺まで反落と振幅。その後はロンドン朝方にかけて147円台半ば近くまで買い戻された。ロンドン時間に入るとやや上値を抑えられて147円台前半での弱保ち合いとなっている。参院選を控えて円売り圧力が掛かりやすい状況だが、きょうは米関税をめぐる不透明感でリスク回避の円買い圧力がやや勝っている。

 ユーロドルは1.16台後半での取引。トランプ関税報道を受けて週明けオセアニア市場では1.1651近辺まで一時下落した。その後は東京午前に1.1698近辺まで買い戻されてレンジ相場を形成。ロンドン時間にはレンジ内で振幅するなかで再び1.17台に接近してきている。ユーロ円は下げ渋り。オセアニア時間に171.60近辺まで下落したあとは、下げ渋りの流れ。ロンドン序盤には172.23近辺に本日の高値を更新した。その後も172円台前半にとどまっている。対ポンドではオセアニア時間に急落したあとはじりじりと買い戻され、前週末NY終値水準をやや上回っている。

 ポンドドルは1.34台後半での取引。東京午前の1.3504近辺を高値に、ロンドン朝方には1.3452近辺まで下押しされた。しかし、ロンドン時間には買戻しが優勢となり1.34台後半で底堅く推移している。ただ、先週末NY終値付近では上値を抑えられている。ポンド円は東京朝方の198.99近辺を高値に、上値を抑えられている。ロンドン早朝には198.11近辺まで下押しされた。ロンドン時間には下げも一服しているが、引き続き円高・ポンド安水準で推移している。ユーロポンドはオセアニア時間に0.8630付近まで急落したあとは、買戻しの流れが続いている。ロンドン時間には0.8673近辺まで反発している。ベイリー英中銀総裁が雇用市場の悪化次第では大幅利下げの可能性があると述べたことがポンド売り圧力につながっている。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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