プラチナ週間展望=堅調、予想以上の米経済指標や株高で

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
             [7月14日からの1週間の展望]
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   週間高低(カッコ内は日)   2026 年  6 月限  7 月 14 日〜 7 月 18 日
        始 値   高 値    安 値    帳入値   前週末比
  金          15,906    16,154 (16)   15,873 (14)     16,090        +201
  銀           178.1     186.0 (14)    178.1 (14)      183.0        +6.8
 プラチナ       6,068     6,195 (18)    6,032 (15)      6,188        +103
 パラジウム     5,600     6,100 (18)    5,600 (14)      6,100        +900
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  NY貴金属(カッコ内は限月)      | 東京外為・株式/NY原油
        10  日終値  前週末比  |        終 値      前週末比
  金       ( 8) 3,345.3     -18.7   | ドル・円    148.78      1.99 円安
  銀       ( 9) 3,830.3     -65.2   | 日経平均  39,819.11       +249.43
 プラチナ   (10) 1,472.1      +2.2   | NY原油 ( 8)  67.54         -0.91
 パラジウム ( 9) 1,301.60    +18.40  |* ドル・円は15時45分現在、原油は 10日
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【前週のレビュー】
 プラチナは米国の関税通知で交渉の行方を確認、とした。
 プラチナは米大統領の関税率通知による貿易摩擦に対する懸念に上値を抑えられた
が、米大統領のパウエル連邦準備理事会(FRB)議長の解任報道や株高を受けて堅調
となった。現物相場は2014年8月以来の高値1468.20ドルを付けた。プラチ
ナ先限は9日以来の高値6193円を付けたのち、上げ一服となった。一方、パラジウ
ムの現物相場は2023年9月以来の高値1291.50ドルを付けた。
 トランプ米大統領は、カナダに35%の関税を課すと通知する書簡を公表した。発動
は8月1日。相互関税の通知を受けていない貿易相手国・地域に関して、15〜20%
の税率になると示唆した。米大統領は12日、メキシコと欧州連合(EU)に8月1日
から30%の関税を適用すると発表した。メキシコとEUは交渉に取り組む姿勢を示し
た。
 6月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇し、前月の0.1%上昇か
ら加速し、1月以来の大幅な上昇となった。トランプ米政権の関税措置がインフレに影
響し始めていることが示唆され、米連邦準備理事会(FRB)は9月まで様子見姿勢を
維持する可能性がある。6月の米生産者物価指数(PPI)は前月比横ばい、前年比
2.3%上昇だった。輸入関税による商品価格の上昇がサービス部門の価格下落で相殺
された。市場予想の前月比0.2%上昇を下回った。一方、米地区連銀経済報告(ベー
ジュブック)で、5月下旬から7月上旬にかけて経済活動が小幅に拡大したとの見方が
示された。物価については、各地区で上昇したとの見方が示された。6月の米小売売上
高は前月比0.6%増だった。5月の0.9%減から予想以上に回復し、経済が勢いを
取り戻しつつあることを示唆した。
 米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は、米連邦準備理事会(FRB)は首都
ワシントンの本部改修費用に関して多大な説明責任があると指摘した上で、状況によっ
てはトランプ米大統領がパウエル米FRB議長を解任する権限を得ることになるとの見
方を示した。米FRB議長は、本部ビルの改修費用に関する調査をFRBのマイケル・
ホロウィッツ監察総監に要請した。米大統領が16日、米FRB議長の解任に「オープ
ン」と伝えられた。その後、米大統領は米FRB議長を解任する計画はないと述べた。
解任の可能性について15日に共和党議員らと意見を交わしたことを認めた。また米大
統領は、米FRB議長の辞任を望んでいると述べた上で、解任すれば市場が混乱すると
いう声が多いことを認めた。
【プラチナETF残高は減少】
 プラチナETF(上場投信)の現物保有高は、16日のロンドンで13.45トン
(前週末13.66トン)、17日のニューヨークで37.12トン(同38.25ト
ン)、16日の南アで9.09トン(同9.18トン)に減少した。またパラジウムE
TFの現物保有高はロンドンで5.08トン(同4.86トン)に増加、ニューヨーク
で14.56トン(同14.56トン)、南アで0.39トン(同0.39トン)と変
わらずとなった。プラチナETF残高は減少し、高値で利食い売りが出た。一方、米商
品先物取引委員会(CFTC)の建玉明細報告によると、7月8日時点のニューヨー
ク・プラチナの大口投機家の買い越しは2万0774枚(前週2万2642枚)に縮
小、パラジウムの売り越しは4734枚(同4483枚)に拡大した。
【中国のGDP堅調も逆風が強まる可能性】
 第2四半期の中国の国内総生産(GDP)は前年同期比5.2%増加し、市場予想の
5.1%増を小幅に上回った。米国の関税に直面する中でも底堅さを示した。一方、6
月の経済指標はまちまちの内容となった。鉱工業生産は前年比6.8%増と、5月の
5.8%増から加速し、市場予想の5.7%増を上回った。小売売上高は同4.8%増
で5月の6.4%増から減速し、市場予想の5.4%増も下回った。新築住宅価格は前
月比0.3%下落し、8カ月ぶりの大幅な落ち込みを記録した。アナリストは逆風が強
まる可能性を警告し、当局に追加刺激策を求める圧力が高まると予想している。
当面の予定(イベント・経済統計)
21日 ●海の日
    米景気先行指数 2025年6月(カンファレンスボード)
22日 NZ貿易収支 2025年6月(NZ統計局)
23日 米中古住宅販売統計 2025年6月(全米不動産協会)
24日 ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年7月速報(Markit)
    ユーロ圏サービス業購買担当者景況指数 2025年7月速報(Markit)
    欧州中央銀行理事会結果公表(ECB)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米新築住宅販売 2025年6月(商務省)
25日 英小売売上高 2025年6月(国立統計局)
    独景況感指数 2025年7月(ifo)
    米耐久財受注 2025年6月速報値(商務省)
    建玉明細報告(CFTC)
MINKABU PRESS 東海林勇行
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