【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における7月 15日時点の大口投機家の売り越しは466万5584枚となり、前週の481万 9533枚から縮小した。取組高合計は4749万6345枚となり、前週から55万 2020枚(1.2%)増加した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が1.6%増、債券 合計が0.9%増、為替合計が1.0%増となった。商品市場の取組高は、穀物合計が 1.5%増、エネルギー合計は2.9%増、金属合計は0.8%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規売りが新規買いを 上回って売り越しを拡大、債券で新規買い、買い戻しが入って売り越しを縮小した。為 替は手じまい売り、新規売りが出て買い越し(ドル売り)を縮小した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、予想以上の米消費者物価指数(CPI)などを受けて7月の金利据え置き見 通しが強い。一方、トランプ米大統領のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の解 任の可能性が示され、混乱に対する懸念が出た。今週は欧州中央銀行(ECB)理事会 がある。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が10万3582枚買い越し(前週11万 6155枚買い越し)、ユーロは12万8221枚買い越し(同12万0596枚買い 越し)、英ポンドは2万9191枚買い越し(同3万3194枚買い越し)となった。 ユーロは新規買い、買い戻しが入って買い越しを拡大した。 商品市場では、原油が米国がロシアの追加制裁に猶予期間を与えたことやドル高を受 けて売り優勢となったが、イラク北部クルド自治区の減産を受けて下げ一服となった。 金は予想以上の米消費者物価指数(CPI)などが圧迫要因になったが、米大統領のパ ウエル連邦準備理事会(FRB)議長の解任報道を受けて押し目を買われた。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が16万2427枚買い越し(前 週20万9374枚買い越し)に縮小した。手じまい売り、新規売りが出た。ニューヨ ーク金は21万3115枚買い越し(同20万2968枚買い越し)に拡大、ニューヨ ーク・プラチナは1万9302枚買い越し(同2万0774枚買い越し)に縮小した。 金は新規買い、買い戻しが入り、プラチナは手じまい売り、新規売りが出た。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが12万9457枚売り越し(前週14万 1762枚売り越し)、大豆は1万5294枚買い越し(同3万8068枚買い越し) に縮小した。コーンは新規買い、買い戻しが入り、大豆は新規売りが新規買いを上回っ た。前週のコーンは、一代安値を更新したのち、買い戻されて堅調となった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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