日米通商合意を受けたリスク選好の動き広がる、そのなかでユーロはやや上値重く推移=ロンドン為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
日米通商合意を受けたリスク選好の動き広がる、そのなかでユーロはやや上値重く推移=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、日米通商合意を受けたリスク選好の動きが広がっている。欧州株が全般に上昇、米株先物・時間外取引も買われている。長期債は売られて利回りが上昇。独伊利回り格差の縮小や欧州ジャンク債クレジットリスク低下などの動きがみられている。為替市場では、ややドル売りの動きとなっている。ポンドドル1.35台前半、豪ドル/ドル0.65台後半、ドルカナダ1.35台後半など、いずれも前日比ドル安水準で推移している。ただ、ユーロドルは1.17台前半でやや上値重く推移。明日のECB理事会を控えたポジション調整や、米欧通商協議の行方を見守る動きとなっているようだ。ドル円は、東京市場で激しく振幅したあと、ロンドン市場では147円台割れから146円台前半へと再び軟化している。クロス円もドル円とともに上値を抑えられている。ユーロ円は171円台後半へと下押し、ポンド円は197円台後半へと再び軟化。リスク選好の動きを受けつつも、為替相場の方向性はまちまち。ただ、ボラタイルな値動きからは落ち着いてきている。

 ドル円は146円台前半での取引。参院選を終え、8月1日の米関税期限を視野に入れるタイミングで、市場の意表を突く格好で東京朝方に日米通商合意が発表された。相互関税を25%から15%に下げる内容に市場はリスク選好で反応した。日経平均は一時1500円超高となる場面があった。しかし、ドル円相場は146.20-147.21までのレンジで激しく振幅し、方向感が定まらなかった。ロンドン時間には147円台割れから146円台前半へと再び軟化している。ただ、欧州株は堅調に推移しており、リスク動向は回復している。石破首相は8月末までに退陣との一部報道を否定している。ただ、市場は石破政権存続に疑問を持っているようだ。

 ユーロドルは1.17台前半での取引。1.1723-1.1756の狭いレンジで推移している。前日からはややユーロ安水準となっている。ユーロ円は軟調。172円台後半から171円台後半へと下押しされており、足元では安値を171.65近辺に広げている。対ポンドでもユーロ売りが優勢。あすのECB理事会を控えて調整が入っているほか、米国とEUとの通商協議を見守る状況となっている。

 ポンンドドルは1.35台前半での取引。1.3515-1.3549の狭いレンジのなかで、やや堅調に推移している。ポンド円は東京市場からロンドン朝方にかけて197.76から199.09までのレンジで振幅した。ロンドン時間に入ると上値が重くなり198円台後半から前半へと軟化している。ユーロポンドは軟調。0.8689から0.8661まで下げている。欧州株高などリスク選好にポンド買いで反応したほか、あすのECB理事会を控えた調整で対ユーロで買われているようだ。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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