ゴム週間展望=上値模索、関税交渉の進展が鍵

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
              [7月28日からの展望]
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     週間高低(カッコ内は日付)         7月22日〜7月25日
<国内>         始 値     高 値       安 値       帳入値    前週比
 25年12月限      330.0      335.0(25)    325.0(24)     332.2    +  3.1
 RSS先限      330.0      331.0(23)   330.0(22)     331.0     +  6.0
 TSR20    250.0      250.0(22)    250.0(22)    250.0     +  6.0
 上海9月限   14950   15655(25)  14915(23)    15540     +  720
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東京外為市場 円相場(本日 15:15現在) 146.94円  前週末比 1.84 円高
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 【前週までのレビュー】ゴム独自の材料が見当たらない中、米株高に連動する動きを
見せている。チャート的には上値を試しやすいとみた。ただ、米株市場の調整が始まれ
ば、JPXゴムRSS3号もそれに追随する可能性があるので、注意したいとした。
【株高から上値模索】
 JPXゴムRSS3号は、上値追いの展開となっている。活発限月の12月限は、2
5日午前には335円まで上昇した。ただ、ゴムのファンダメンタルズからは積極的に
買い進むような材料は見当たらない。依然として、米株高に連動した動きが続いてい
る。24日もS&P500とナスダック総合株価指数が揃って過去最高値更新、日経平
均株価も日米関税交渉合意を受けて、4万1500円超まで上昇となっている。JPX
ゴムRSS3号にとっては支援材料だ。チャート的には、やや過熱感はあるが、上値を
試しやすい。
 来週は米中貿易協議が開催される。また、米国と欧州連合(EU)の関税交渉合意が
間近との報道もあり、これらに進展があれば、株価は一段高となり、JPXゴムRSS
3号も地合いを引き締めるだろう。
 不安材料としては、24日までの10営業日では陰線が2本と、一方的な上昇相場と
なっていることだ。また、トランプ米大統領がパウエル米連邦準備制度理事会(FR
B)議長への不満を募らせており、辞任に追い込むような動きを見せる可能性がある。
パウエル議長がFRB議長の職を退けば、一時的には利下げ期待から株価は上昇すると
みる。だが、米国の財政赤字拡大懸念から、その後は金利上昇(債権価格は下落)、ド
ル安、株安のトリプル安に追い込まれそうだ。米株市場の下落が始まれば、JPXゴム
RSS3号もそれに追随することになるだろう。
【上海ゴム9月限は1万5000元に迫る】
 上海ゴムの中心限月の9月限は、1万5500元を上抜いてきた。中心限月の9月限
は、24日に1万5435元まで上昇し、5月14日に付けた高値1万5310元を上
抜くと、25日には1万5530元まで水準を引き上げた。現状、終値ベースでは、1
万5500元突破に至っていないが、これに成功すれば、節目の1万6000元を目指
した展開になりそうだ。上海ゴム9月限の1万5000〜1万6000元の価格帯は、
4月3日からの急落時、急反発となり、値が飛んだ価格帯であり、まとまった買いが入
れば、一気に水準が引き上がるとみる。
【東京ゴム活発限月の12月限のテクニカル要因】
 ゴムRSS3号の活発限月の12月限は、上値追いの展開となっている。7月3日に
317.4円まで上昇後、308円台まで押し戻されたが、その後は、上海高などを背
景に一本調子の上昇となり、25日の午前中には335.0円まで上昇した。7月は、
7月24日現在、陰線が4本しかない。特に24日までの10営業日では陰線が2本
と、一方的な上昇場面になっている。
 買い優勢となれば、節目の340円が次の上値目標になる。同水準を上抜くと、現時
点では340円超の水準には、特に目立った抵抗線が見当たらないことから、節目の3
45円や350円を意識した展開になりそうだ。
 一方、売りが先行すれば、上昇を続けている一目均衡表の転換線が支持になりそう
だ。18日時点では325円台に位置している。同線を割り込むと、節目の320円や
310円、さらには6月30日以降、支持となっている307円前後が意識される。
【今週の注目ポイント】
 引き続き、米株市場に注目したい。ゴム独自の材料に乏しい中、株式市場の影響を受
けやすい状況となっている。24日、S&P500とナスダック総合株価指数は、揃っ
て過去最高値を更新した。また、米国と欧州連合(EU)の関税交渉合意が近づいてい
るとみられ、正式に合意となれば、株式市場の支援材料となる。ただ、過熱感も出てお
り、米株が調整場面を迎えると、JPXゴムRSS3号も売りが出やすいとみる。
【相場予想レンジ】
 7月28〜8月1日のJPXゴムRSS3号12月限の中心レンジ予想は320〜3
50円前後。テクニカルの支持線は325円台(一目均衡表の転換線)、抵抗線は34
0.0円(節目)。
<当面の予定(イベント・経済統計)>
28日 香港貿易収支 2025年6月(香港統計局)
29日 英マネーサプライ 2025年6月(BOE)
    米卸売在庫 2025年6月速報値(商務省)
    米ケース・シラー住宅価格指数 2025年5月(S&P)
    米消費者信頼感指数 2025年7月(カンファレンスボード)
    米連邦公開市場委員会(FRB)1日目
30日 金融政策決定会合(日本銀行)1日目
    ゴム指定倉庫在庫(大阪取引所)
    ユーロ圏国内総生産 2025年4-6月期速報(EUROSTAT)
    全米雇用報告 2025年7月(ADP)
    米国内総生産 2025年4-6月期速報値(商務省)
    米中古住宅販売仮契約指数 2025年6月(全米不動産協会)
    米FOMC声明文公表(FRB)
    政策金利発表(カナダ銀行)
31日 鉱工業生産指数 2025年6月速報(経済産業省)
    小売業販売額 2025年6月速報(経済産業省)
    総裁記者会見(日本銀行)
    中国製造業購買担当者景況指数 2025年7月(中国物流購買連合会)
    中国非製造業購買担当者景況指数 2025年7月(中国物流購買連合会)
    ユーロ圏雇用統計 2025年6月(EUROSTAT)
    独消費者物価指数 2025年7月速報(連邦統計庁)
    政策金利公表(南アフリカ準備銀行)
    米個人所得・支出 2025年6月(商務省)
    米新規失業保険申請件数(労働省)
    米雇用コスト指数 2025年4-6月期(労働省)
    シカゴ購買部協会景気指数 2025年7月(シカゴ購買部協会)
 1日 上海ゴム指定倉庫在庫(上海期貨交易所)
    ●スイス(建国記念日)
    労働力調査(失業率) 2025年6月(総務省)
    中国製造業購買担当者景況指数 2025年7月(財新)
    ユーロ圏製造業購買担当者景況指数 2025年7月確報(Markit)
    ユーロ圏消費者物価指数 2025年7月速報(EUROSTAT)
    米雇用統計 2025年7月(労働省)
    米製造業景況指数 2025年7月(ISM)
    米消費者信頼感指数 2025年7月確報値(ミシガン大)
    建玉明細報告(CFTC)

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