ドル円、一時148円台をうかがう展開も=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル円、一時148円台をうかがう展開も=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル円は途中で伸び悩んだものの、一時148円台をうかがう展開を見せていた。ドル高がドル円をサポートしていたが、前日の米新規失業保険申請件数が雇用の力強さを示していたことや、トランプ大統領が改修工事を行っているFRB本部を訪問後、「パウエル議長を解任する必要はない」と述べたことで安心感が広がり、ドル買いの反応に繋がっているようだ。

 ドル円は21日線で完全にサポートされ、再び上値を目指す兆候が見られている。目先は直近高値の149円台前半が意識されるほか、その上には149.65円付に200日線が控えている。

 ただ、全体的にドル先安感は根強く、長期的にはドル安を見込む向きが圧倒的に多い。そのような中、米成長減速でドルはさらに下落する可能性も指摘されていた。ストラテジストは年後半に米経済成長が鈍化するにつれて、ドルはさらに下落する可能性があると指摘している。さらに、ドル離れが世界的に進行していることもドル安要因と指摘。ただし、米国の政策見通しに不確実性があることや、すでにドルに対してショートポジションが積み上がっていることから、ドル安の進行は緩やかで限定的なものに留まるとも述べている。

 ユーロドルは戻り売りが優勢となり、1.17ドル割れを試す動きも見られていた。ただ、1.17ドル台は堅持されており、1.20ドルを目指した上向きの流れを継続している。本日の21日線が1.1715ドル付近に来ているが、その水準もしっかりとサポートされている。

 前日のECB理事会を受けて、市場はECBの利下げ期待を後退させている。市場は9月理事会についてのヒントを探っていたが、ラガルド総裁は様子見ムードを滲ませていたことから、追加利下げのヒントを探していた投資家にとっては意外に見られている模様。オプション市場でもユーロに対して強気の見通しが維持されており、大手銀からはECBによる追加利下げの予想撤回が相次いでいる。

 ポンドは軟調な展開を見せ、対ドルのみならず対ユーロでも下落。ここに来て、インフレは高いものの、景気の先行き不透明感が強まっており、市場は8月の英中銀の利下げをほぼ確実視している状況。この日は6月の英小売売上高が発表になっていたが、5月の急落からは回復していたものの、市場の予想には届かなかった。

 今回の数字で英小売売上高は四半期ベースでは僅か0.2%の上昇に留まり、4-6月のGDPへの寄与度は0.01%ポイントに過ぎない。エコノミストからは、「6月の小売売上高の回復が予想より小幅だったことは、第2四半期の成長が前期比で僅か0.1%に留まったという見方を裏付ける」と述べている。

 短期金融市場では8月利下げを95%、それを含めて年内2回の利下げを、完全には織り込めていないものの、85%程度の確率で2回目を見込んでいる状況となっている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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