今週の【早わかり株式市況】続伸、関税合意がポジティブサプライズに

配信元:株探
著者:Kabutan
■今週の相場ポイント
 1.日経平均は2週続伸、一時4万2000円台を回復
 2.日米交渉で電撃的合意、相互関税25%→15%
 3.自動車関税も15%に、トヨタなど関連株急騰
 4.全体リスク選好一色、首相退陣報道も追い風
 5.個別も材料豊富、ソニー・バンナム提携など

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比1637円(4.1%)高の4万1456円と、2週連続で上昇した。

 今週は日米関税交渉の合意がポジティブサプライズとなり、全体相場は大きく買い優勢に傾いた。日経平均は昨年夏につけた史上最高値に迫り、TOPIXは一足早く最高値を更新した。個別でも材料豊富で総じて物色意欲は旺盛だった。

 3連休明け22日(火)の東京株式市場は小幅安。20日の参院選では与党が過半数割れとなった。マーケットでは概ね織り込みが進んでいたこともあり、全体相場は上下に大きな方向感は出なかったが、今後の国内政局の不透明感が意識され次第に手控え感が強まった。個別ではアニメ映画「鬼滅の刃」最新作の記録的ヒットを手掛かりに東宝 <9602> [東証P]が上場来高値圏を突き進み注目を浴びた。23日(水)は急反発。日本時間朝方に日米関税交渉の電撃的な合意が伝わり、これを受けて東京市場はリスク選好ムード一色に。相互関税が当初見込みの25%から15%で決着し、自動車関税も15%に引き下げられる方向となったことで特にトヨタ自動車 <7203> [東証P]など自動車関連株が急騰した。また、取引時間中には石破首相の退陣観測報道が飛び出した。政局の不透明感解消や財政政策を巡る思惑が膨らみ、これを追い風に相場は一段高。日経平均は一時1500円超高となり、終値でも1400円近く上昇した。24日(木)も引き続き買い優勢の展開。日本に続いて他の国々においても米国との関税交渉が進展するとの期待が高まった。日経平均は一時4万2000円台を回復。TOPIXは昨年7月の史上最高値を約1年ぶりに更新した。25日(金)は反落。前日までの急上昇の反動が出た。個別ではアニメ・マンガ分野で提携すると発表したソニーグループ <6758> [東証P]とバンダイナムコホールディングス <7832> [東証P]に投資家の視線が集中した。

■来週のポイント
 来週から3月期決算企業の1Q決算発表シーズンに突入する。米関税がどの程度決算に影響するかは蓋を開けてみないとわからず、サプライズもありそうだ。また、米FOMCと日銀政策決定会合が開催される週でもある。日米金融政策の行方を占う上でも両会合には注目しておきたい。

 重要イベントとしては、国内では31日朝に発表される6月鉱工業生産、8月1日朝に発表される6月完全失業率と6月有効求人倍率が注目される。海外では29日に発表される米国7月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に発表される米国7月ADP雇用統計、米国4-6月期GDP、31日に発表される中国7月製造業PMI、米国6月の個人所得と個人消費支出、1日に発表される米国7月雇用統計と米国7月ISM製造業景気指数に注視が必要だろう。

■日々の動き(7月22日~7月25日)

【↓】   7月22日(火)――  続落、朝高も政局と米関税を警戒しマイナス圏
 日経平均 39774.92(  -44.19)  売買高16億8319万株 売買代金 4兆2076億円

【↑】   7月23日(水)――  急反発、日米関税交渉合意でリスク選好の買い優勢
 日経平均 41171.32( +1396.40)  売買高30億2405万株 売買代金 7兆1081億円

【↑】   7月24日(木)――  続急伸、日米関税交渉合意後のリスクオン継続
 日経平均 41826.34( +655.02)  売買高22億899万株 売買代金 5兆7264億円

【↓】   7月25日(金)――  3日ぶり反落、前日までの株価急伸で利益確定売り
 日経平均 41456.23( -370.11)  売買高17億6754万株 売買代金 4兆5512億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、すべての業種が値上がり
 (2)上昇率トップはりそなHD <8308> など銀行。金融株は野村 <8604> など証券、T&D <8795> など保険も大幅高
 (3)関税合意でマツダ <7261> など自動車が大きく買われた。輸出株は三菱重 <7011> など機械、テルモ <4543> など精密機器も高い
 (4)内需株はリクルート <6098> などサービス、住友林 <1911> など建設、菱地所 <8802> など不動産が堅調
 (5)住友電 <5802> など非鉄、郵船 <9101> など海運、日本製鉄 <5401> など鉄鋼といった景気敏感株も上昇率上位

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
 1(1) データセンター 
 2(3) 人工知能 
 3(4) 半導体 
 4(75) 原子力発電 ── 関西電が原発新設へ調査再開
 5(2) 下水道 ── 国策支援でインフラ整備の思惑
 ※カッコは前週の順位

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