ドル買いが優勢となりドル円も148円台半ばまで上昇 米・EU合意もユーロは売り強まる=NY為替概況

配信元:みんかぶFX
著者:MINKABU PRESS
ドル買いが優勢となりドル円も148円台半ばまで上昇 米・EU合意もユーロは売り強まる=NY為替概況

 きょうのNY為替市場、ドル買いが優勢となり、ドル円も148円台半ばまで上昇した。チャート的には21日線でしっかりと支えられ、リバウンドの兆候を温存している状況。目先は本日149.65円付近に来ている200日線を試す展開になるか注目される。

 今週は重要イベントが目白押しで、その反応を見極めたい雰囲気も強い。複数の主要IT・ハイテク企業の決算、FOMC、8月1日の関税期限、そして、経済指標ではGDP速報値、PCE価格指数、そして金曜日には米雇用統計の発表が予定されている。また、円に関しては日銀決定会合も予定。

 特にFOMCに注目しており、米経済成長の回復と粘着性のあるインフレのさらなる証拠が、FRBの9月利下げの見通しがさらに後退することにつながるとの見方も出ているようだ。短期金融市場では、9月利下げの可能性を65%程度で織り込んでいる。

 日銀会合については政策の据え置きが確実視されている。先日合意した米国の関税の影響を確認したい点と、石破政権の行方に対する不確実性が要因として挙げられる。利上げの方向性は変わらないものと思われるが、タイミングは慎重に見ているようだ。

 ユーロドルは戻り売りが強まり、1.15ドル台に下落。21日線も下抜けている。今週は重要イベントが目白押しの中、21日線を維持できるか注目される。日曜日にEUと米国が貿易協議で合意し、日本と同様に関税率15%で決着した。楽観ムードが広がったものの、関税による経済的な悪影響への懸念の広がりも指摘される中、ユーロはネガティブな反応を示している模様。

 エコノミストからは、「欧州は最悪の事態は回避したが、出口のない不均衡で危険な協定に自らを閉じ込めた。米国はあらゆる交渉上の優位性を最大限に活用した」との声も出ている。ストラテジストからは「今回の米国との貿易合意はEUにとって勝利ではない。ユーロはまだ下落余地がある」との見解も出ている。

 ポンドドルも下値模索が続き、強いサポートとなっていた1.34ドルを完全にブレイクした。1.34ドルは今月と先月の2回サポートされており、強い下値抵抗として意識されていたが、ストップを巻き込んで1.33ドル台半ばまで下落。

 本日は英産業連盟(CBI)が7月調査分の小売統計を発表していたが、先週の6月の英小売売上高と同様に、改善の兆しは見られていないことが示された。調査によると、小売売上高の減少は7月で10カ月連続。ただし、減少ペースは6月よりもやや緩やかった。

 また、小売業者が労働コスト上昇による価格高騰や国内外の不確実性を売上低迷の理由として挙げていることも示された。英経済の減速懸念が強まっていることを裏付ける内容ではあるが、CBIは8月も売上高は同程度のペースでの減少が続くとの見通しを小売業者が持っていると述べている。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。