株価指数先物【寄り前】 米ハイテク株高と円安でややロング優勢

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 40730 +70 (+0.17%)
TOPIX先物 2928.5 +5.5 (+0.18%)
シカゴ日経平均先物 40640 -20
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 30日の米国市場はNYダウ、 S&P500が下落した一方で、ナスダックは上昇。4-6月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率で3.0%増だった。市場予想を上回り、トランプ関税による経済の下押し懸念が後退した。米連邦準備理事会(FRB)は30日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、市場の予想通り政策金利を据え置いた。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で早期利下げに慎重な見解を示した。不確実性は非常に多いと述べ、次回9月の利下げ期待が後退したことは相場の重荷になった。

 S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、ヘルスケア機器・サービス、公益事業が上昇した半面、耐久消費財・アパレル、家庭用品・パーソナル用品、素材の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、エヌビディア、ユナイテッドヘルス・グループ、キャタピラー、JPモルガン・チェース、シスコシステムズが買われた。一方で、スリーエム、プロクター・アンド・ギャンブル、シェブロン、ナイキが軟調。

 シカゴ日経平均先物清算値は大阪比20円安の4万0640円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比変わらずの4万0660円で始まった。その後は4万0780円まで買われ、米国市場の取引開始後は4万0660円~4万0760円辺りで保ち合いを継続。終盤に4万0480円まで下落する局面もみられたが、引けにかけて切り返し、4万0730円でナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物は終盤にかけて荒い値動きとなったが、プラス圏を回復して終えたことで安心感につながろう。また、米国市場の取引終了後に決算を発表したマイクロソフトとメタ・プラットフォームズは、いずれも市場予想を上回る内容だったとして時間外取引で急伸している。米ハイテク株高に加えて、為替市場で円相場が1ドル=149円台半ばと円安に振れて推移していることが材料視され、買い先行で始まることが期待される。

 日経225先物は一時4万0480円と節目の4万0500円を割り込む場面もみられたが、その後は急速に切り返していることで、同水準が支持線として意識されやすい。ボリンジャーバンドの+1σ(4万0790円)を突破してくることが見込まれ、同バンドでの底堅さを見極めることになりそうだ。そのため、オプション権利行使価格の4万0750円を中心とした上下の権利行使価格となる4万0500円から4万1000円のレンジを想定する。

 +1σが支持線として意識されるようだと、直近の調整に対するショートカバーを誘う可能性もあるため、+2σ(4万0450円)とのレンジが意識されてきそうだ。決算発表が本格化しているなかで積極的にポジションを傾けにくいところだが、押し目待ち狙いのロング対応に向かわせよう。

 30日の米VIX指数は15.48(29日は15.98)に低下した。一時17.27まで急伸し、25日移動平均線(16.38)を上抜ける場面もみられた。ただし、その後は軟化し同線を下回って終えている。市場心理をやや神経質にさせそうであるが、リスク選好に傾きやすい状況は続いているとみておきたい。

 昨日のNT倍率は先物中心限月で13.91倍に低下した。一時14.01倍をつける場面もあったが、25日線(14.04倍)、200日線(14.02倍)に上値を抑えられる形となり、その後は-1σ(13.98倍)、-2σ(13.93倍)を割り込み、-3σ(13.88)に接近してきた。バンドが収斂から拡大に転換してくることでトレンドが出やすくなるが、一気に-3σまで下げたことで、NTショートを巻き戻す動きが入りそうだ。

株探ニュース

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