●論点解説金、低調な雇用統計とFRB独立性問題=マーケットエッジ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 前週の金相場は3300ドルまで下げ、3400ドルまで切り返す荒れた展開になっ
た。マーケットの関心は徐々に米金融政策環境にシフトしているが、米連邦公開市場委
員会(FOMC)と6月PCEデフレーターが早期利下げ観測の後退、7月雇用統計が
早期利上げ観測の強化を促し、評価が定まらなかった。7月雇用統計に関しては、過去
3ヵ月平均で非農業部門就業者数がほとんど増えていなかったことが示され、雇用の減
速を確認したことはポジティブ。しかし、同統計を受けてもクリーブランド連銀とアト
ランタ連銀総裁は、見通しに変更を迫るほどの数値ではないとの認識を示している。9
月利下げが本当に決定的になったのか、当局者の反応が重視される局面になる。
 一方、低調な雇用統計を受けて、トランプ大統領は労働統計局長の解任を発表し、さ
らにパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の利下げ対応の遅れを批判してい
る。また、クグラーFRB理事は来年1月の任期を待たず8日付で辞任すると発表し
た。トランプ大統領は早期に後任の人事に着手する意向を示しているが、利下げに積極
的な人物を起用することで、「パウエル後」に備える動きを強める見通し。SNSで
は、パウエルFRB議長に対して「辞任すべき」と従来よりも踏み込んだ発言を行って
いる。
(マーケットエッジ・小菅 努)

このニュースの著者

MINKABU PRESS

みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。