ドル安が優勢となりドル円も下値模索 一時146円台まで下落=NY為替概況 きょうのNY為替市場、ドル円は一時146円台まで下落する場面も見られた。本日の市場はドル安が優勢となりドル円も下値模索が続いている。本日もFOMC委員から発言が伝わっていたが、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は「年内2回の利下げが妥当となお判断。待つよりも金利の方向性反転の方が賢明かもしれない」と利下げに積極的な姿勢も垣間見せている。また、クックFRB理事は、先週の米雇用統計の修正は米経済の転換点の兆しの可能性があるとの認識を示した。利下げを暗示する発言でもある。 これらを受けてドルは戻り売りが優勢となり、ドル円も下値模索となっている。本日は147.80円付近に来ている21日線に一時接近する場面も見られていたが、上値を抑えられた格好。 短期金融市場では9月の米利下げ確率が90%近くまで上昇しているほか、年内2回の利下げも完全に織り込み、3回の利下げを35%程度の確率まで織り込む動きとなっている。 ユーロドルは買い戻しが膨らみ、前日まで上値を抑えていた1.16ドルの水準を突破。本日1.1635ドル近辺に来ている21日線も回復した。明日以降1.16ドルを維持し、強い上値抵抗として意識される1.18ドルを再度試す展開になるか注目される。 本日は6月のユーロ圏小売売上高が発表になっていたが、前月比0.3%増の回復を見せていた。ただ、エコノミストは、依然としてパンデミック前のトレンドを大きく下回る水準に留まっており、低調な売上は今後も続く可能性が高いと指摘している。今後については、ECBの利下げが消費を下支えする一方、実質所得の伸び鈍化がその効果を一部相殺するだろうと述べている。 消費者の信頼感は多少回復してはいるものの、依然として歴史的水準と比べると低く、家計はパンデミック前よりも貯蓄を優先する傾向が続くと見られる。そのため、全体的な消費の伸びも控えめに留まる可能性が高いとしている。 ポンドドルは1.3370ドル近辺まで一時上昇。本日の100日線が1.3350ドル付近に来ており、その水準を上抜いている。ただ、ポンドは対ユーロでは下落しており、G10通貨の中でも下位に沈んでいる状況。 英中銀は明日の金融政策委員会(MPC)で、現在のサイクルで5回目の利下げを実施する見通しとなっている。これに対してストラテジストは、今回は戦後で3番目に長い緩和サイクルとなる可能性を指摘している。 緩和の規模は過去の緩和サイクルを下回っており、これは、英中銀が緩やかかつ慎重な緩和を選好していることを一部反映しているという。また、各回の緩和規模が小さいことから、投資家が現在のサイクルにおける英中銀の今後の利下げを過小評価している可能性があるとの疑問も浮上しているとも指摘した。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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