■今週の相場ポイント 1.日経平均は2週ぶり反発、一時4万2000円台 2.週明け日本株波乱、前週末の米雇用統計受け 3.米利下げ期待台頭、過度な警戒後退で買い戻し 4.TOPIX昨夏以来の最高値、内需株が牽引 5.週末大幅高、日本に米関税の軽減措置適用へ ■週間 市場概況 今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比1020円(2.5%)高の4万1820円と、2週ぶりに上昇した。 今週は波乱含みの地合いでスタートしたが、すぐに切り返し一貫して上値を指向する展開となった。米国景気に懸念が強まりつつも、同時に米利下げ期待が台頭したことで過度なリスク回避ムードには至らず。日経平均は一時4万2000円台まで上昇した。 4日(月)は大幅安。前週末に発表された米雇用統計で7月分がコンセンサスを下回ったほか、5月と6月分が大幅下方修正され、同日の米国株市場は売り一色に。これを受け、週明けの東京市場でも主力株をはじめ幅広い銘柄が値下がりした。為替が円高に振れたことも重荷に。日経平均は一時900円を超える下げとなった。5日(火)は反発。前日のリスクオフの巻き戻しが入った。米国の景気減速懸念が意識されるなか、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ期待が高まり過度な警戒感が後退した。6日(水)も上昇。好決算銘柄を中心に物色が活発化した。不動産や建設など内需株に強い銘柄が多く、全体相場を牽引した。なおも買い優勢の地合いは続き、7日(木)も上値を伸ばした。TOPIXは一足早く終値ベースで昨年夏以来となる最高値を更新した。個別では米国の分野別関税への懸念から半導体関連株が冴えない動きに。取引時間中に四半期決算とあわせ、通期利益予想の下方修正を発表したトヨタ自動車 <7203> [東証P]も下落した。8日(金)は大幅反発。前日に発動された新たな米相互関税について日米間で認識に食い違いが発生していた問題を巡り、米国が日本に対して関税の負担軽減措置を適用する方針を示したことが伝わった。これが好感され全体相場は上げ足を加速。TOPIXは初の3000台に乗せた。個別では好決算を受けてソフトバンクグループ <9984> [東証P]が急伸した。 ■来週のポイント 来週は米利下げ期待が継続するかが焦点になりそうだ。そのため米国の経済指標に注意したい。日本市場は引き続き決算発表を材料に個別物色が盛んになるだろう。日経平均の最高値更新にも期待したい。 重要イベントとしては、国内では15日朝に発表される4-6月期GDPが注目される。海外では12日に発表される米国7月消費者物価指数、14日に発表される米国7月生産者物価指数、15日に発表される中国7月の鉱工業生産と小売売上高、米国7月の小売売上高と鉱工業生産に注視が必要だろう。 ■日々の動き(8月4日~8月8日) 【↓】 8月 4日(月)―― 大幅続落、欧米株安でリスク回避の売り優勢 日経平均 40290.70( -508.90) 売買高20億1787万株 売買代金 4兆8035億円 【↑】 8月 5日(火)―― 反発、欧米株高を受けリスク選好の買い優勢 日経平均 40549.54( +258.84) 売買高21億3121万株 売買代金 4兆8776億円 【↑】 8月 6日(水)―― 続伸、朝安も内需関連が買われ切り返す 日経平均 40794.86( +245.32) 売買高22億8761万株 売買代金 5兆4274億円 【↑】 8月 7日(木)―― 3日続伸、好業績銘柄中心に買い優勢 日経平均 41059.15( +264.29) 売買高23億8244万株 売買代金 5兆6928億円 【↑】 8月 8日(金)―― 4日続伸、米関税の不透明感後退で買い優勢 日経平均 41820.48( +761.33) 売買高27億3959万株 売買代金 6兆7792億円 ■セクター・トレンド (1)全33業種中、30業種が値上がり。任天堂 <7974> などその他製品が値上がり率断トツ (2)三井不 <8801> など不動産、SBG <9984> など情報通信、ヤマトHD <9064> など陸運といった内需株が大幅高 (3)輸出株はHOYA <7741> など精密機器が大きく買われたほか、三菱重 <7011> など機械やティラド <7236> など輸送用機器も高い (4)オリックス <8591> などその他金融、SBI <8473> など証券、SOMPO <8630> など保険といった金融株も堅調 (5)JX金属 <5016> など非鉄、ENEOS <5020> など石油、三井物 <8031> など卸売といった資源株も上昇 (6)値下がりは3業種のみ。下落率トップは東レ <3402> など繊維 ■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数) 1(1) データセンター ── AI半導体周辺と原発関連などにも人気波及 2(3) 下水道 3(2) 人工知能 4(4) 半導体 5(7) 防衛 ── オーストラリア新型艦計画で日本案採用 ※カッコは前週の順位 株探ニュース
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