ドル安が優勢 ドル円は一時146円台まで下落=NY為替概況 きょうのNY為替市場はドル安が優勢となり、ドル円は一時146円台まで下落する場面も見られた。円高の動きもドル円を圧迫。東京時間に発表になっていた日本の4-6月期GDP速報値が予想外に強い内容だったことから、日銀の利上げ期待を高めている模様。短期金融市場ではいまのところ年内の利下げの確率を67%に上昇させている。ドル円は本日の下げで21日線に上値を拒まれた格好となっており、上値の重いムードは続いている。 本日は7月の米小売売上高と8月調査のミシガン大消費者信頼感指数が発表になっていたが、まちまちの内容で市場の反応も限定的となっていた。 アラスカで米ロ首脳会談が開催されており、その内容待ちの雰囲気も出ていた。何らかの結果が出るのは市場が終わった後で、来週の材料と思われる。ただ、ウクライナ紛争の即時停戦への期待は低いとも見られている。トランプ大統領も次の2回目の会談が重要との認識を示していた。トランプ大統領の発言次第のところもあるが、今回は無難な通過となる可能性もありそうだ。 前日の米生産者物価指数(PPI)を受けて、過度な利下げ期待は後退。短期金融市場では、完全に織り込んでいた9月の利下げ期待が90%程度の確率まで低下。それでも利下げをほぼ確実視しているとも言えるが、少なくとも一部で出ている0.50%の大幅利下げは無さそうだ。FRBも判断か悩ましい状況に追い込まれているが、その点については来週のワイオミング州ジャクソンホールで行われるFRBのシンポジウム待ちといたところかもしれない。 ユーロドルは前日の下げを取り戻す展開が見られている。1.17ドル台を回復し、上値は重いものの21日線の上もしっかりと維持していることから、底堅さは堅持している。 ストラテジストからは、ドルを売ってユーロを買うフローは続いており、ユーロからポンドへのフローは見られていないという。オプション市場がこの情勢を反映しているとも述べている。ユーロの最近の対ポンドでの下落にもかかわらず、長期的にはポンドに対するユーロ高を示唆し続けているという。 ポンドドルは前日の下げを取り戻す展開が見られた。1.36ドル台には慎重だが、年初からの上昇トレンド復帰に向けた動きは継続している状況。ただ、ポンドに対しては弱気な見方も出ている。 ストラテジストは、長期的に英経済成長が弱くなる可能性と財政面の課題からポンドは逆風に直面し続けると指摘している。前日発表の第2四半期の英GDPは前期比0.3%と予想を上回った。英中銀が利下げを一時停止するか、ペースを緩める可能性があり、これが短期的にポンドを下支えする可能性がある。 しかし、英中銀がインフレ抑制に成功したとしても、今度は市場の焦点が、現在の予想を上回る失業率と、より緩やかな成長ペースに移りやすく、それはポンドの重石になるという。加えて、今後は財政の引き締めも予想される中、英政府の秋季予算もポンドの重しとなる可能性があるとも述べた。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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