【これからの見通し】きょうはようやくパウエル議長のジャクソンホール講演の日 本日はようやくジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長講演が実施される。日本時間午後11時からの予定。今後の米金融政策の行方を占う上で、市場が待ち望んでいたイベントだ。 8月に入ってからの一連の米経済指標を振り返ると、米雇用統計の衝撃的な弱さが際立った。これで、市場における9月利下げ見通しがほぼ固まった格好。その後の、インフレ指標ではPPIなどで根強いインフレ圧力が示されていたが、それでも市場では25bp利下げを7-8割程度織り込んでいる。逐一の米経済指標の強弱に反応して、据え置きや50bp利下げの観測が若干加わる程度の動向になっている。 注目のパウエル議長講演では、現状の米経済ファンダメンタルズが9月の25bp利下げ観測を正当化するのかどうかの見解がポイントとなろう。また、トランプ政権からの圧力の下で、中銀独立性についての言及も想定される。しかし、頑なに据え置きを主張するようだと、トランプ政権への反発の面もあるとして、市場からはかえって中銀独立性に疑問符が投げかけられる可能性も考えられる。冷静な経済分析の下で利下げ示唆が行われれば、市場はひと安心となるのだが、どうか。 この後の海外市場で発表される経済指標は、フランス企業景況感(8月)、メキシコ実質GDP(第2四半期)、カナダ小売売上高(6月)など。パウエル講演前の発表で、指標に対する市場の反応は一時的にとどまりそうだ。カナダ小売売上高の予想は前期比+1.5%と前回の-1.1%から回復する見込み。除く自動車前月比も+0.8%と前回の-0.2%からの回復見込みになっている。 発言イベント関連では、パウエル議長のほかにもジャクソンホール関連のイベントが予定されている。植田日銀総裁、ベイリー英中銀総裁、ラガルドECB総裁などがジャクソンホール会議「移行期の労働市場」と対する討論会に出席する。また、米経済ニュース番組に、コリンズ・ボストン連銀総裁、ハマック・クリーブランド連銀総裁などが出演する。ドル円相場にとっては、植田日銀総裁がインフレと賃上げの循環で利上げの可能性が示されるのかどうかがポイント。また、同総裁は国際的なイベントで独特なジョークを発することでも知られており、個人的には何を話すのか興味がある。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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