修正:ドル安が継続 ドル円は147円台前半に伸び悩む=NY為替概況 きょうのNY為替市場はドル安が継続し、ドル円は147円台前半に伸び悩んだ。前日に石破首相の辞任表明で円安が進み、週初のオセアニア時間に上に窓を開けた形となっていたが、その窓が埋まった格好となった。 市場は来週の9月FOMCを前に、今週の米消費者物価指数(CPI)に注目している。FOMC前の最後の主要指標となる。予想では総合指数の前月比が7月の0.2%から0.4%に加速し、前年比は2.7%から2.9%に上昇すると見込まれている。コア指数の前年比は3.1%と7月と変わらずの見通し。エコノミストからは、「企業は関税導入前に大量に積み上げた在庫をほぼ使い切っており、関税負担に対して脆弱な状態となっている。そのため消費者への価格転嫁が起きやすい状況にある」との声も出ていた。 短期金融市場では年内3回の利下げ確率を80%程度まで高めている。今月の利下げは完全に織り込まれ、焦点は0.50%ポイントの大幅利下げがの有無に移っている。ただ、その可能性は現時点で10%程度。大幅利下げに至るには、今週のインフレ指標がかなり弱い必要があるとの声も出ている。 ただ、米CPIは高めの予想が多く、「企業は関税導入前に大量に積み上げた在庫をほぼ使い切っており、関税負担に対して脆弱な状態となっている。そのため消費者への価格転嫁が起きやすい状況にある」との指摘も出ていた。 ユーロドルは買いが続き、1.1765ドル付近まで一時上昇。21日線を上回り堅調な推移を見せている。一方、ユーロ円は伸び悩んだものの173円台での推移が続いた。 本日は仏国民議会(下院)でバイル首相に対する信任投票が実施され、事前の予想通りに首相は敗北した。警戒感から新規ポジションの構築を控えているとの指摘も出ていたが、結果判明後のユーロの反応は限定的となった。 一方、今週にECB理事会を控え、ユーロの強気ポジションへの需要は堅調。オプション市場では1週間物のボラティリティが年初来の平均よりも低い水準で推移している。 ポンドドルも買い戻しが続いた。1.35ドル台半ばまで上昇し、21日線の上を維持。一方、ポンド円は前日の石破首相の辞任表明による円安から、東京時間に一時200円台を回復したものの維持できていない。しかし、199円台後半で推移し、底堅い推移は続いていた。 ストラテジストは、英国の厳しい財政見通しを背景にポンドは中期的に下落する可能性があると指摘。「増税が迫っており、成長鈍化とともにポンドの一段安は避けられない」と述べている。 ただ、ポンド下落は緩やかなものになる可能性が高く、投資家は非常に忍耐強く待つか、投機筋がポンドの持ち高を手仕舞う局面を利用して、より良い参入水準を探る必要があるという。 MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
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