ポンド売り優勢、財政赤字拡大で ドル円は植田日銀総裁会見で買い戻される=ロンドン為替概況 ロンドン市場は、ポンド売りが優勢。8月の英公共部門純借入額(財政赤字に相当)が予想を上回り、財政悪化懸念が強まった。英国債売りとともにポンドが売られている。ポンドドルは1.35台割れへ、ポンド円は200円を下回る水準で上値重く推移。対ユーロでもポンドは軟調。ユーロドルも1.17台後半から半ばへと軟化している。きょうのドル円相場は、日銀決定会合をめぐって下に往って来い。東京昼過ぎに日銀は政策金利据え置きを発表した。7対2での決定で、2名の委員が利上げを主張し、否決された。さらに、ETFの売却も発表。市場はサプライズ的に円買いの反応を広げた経緯がある。147円台前半まで下押しされたあと、植田日銀総裁会見を迎えた。植田総裁からは市場で期待された10月利上げについての具体的な示唆はみられず、ドル円は148円付近まで買い戻された。週央の米FOMC以降はドル買い戻しの流れが続いている。 ドル円は148円付近での取引。東京午後に日銀金融政策決定会合の結果が公表され、政策金利は0.50%に据え置かれたが、2人の委員が0.75%への引き上げを提案した。また、ETF売却についても発表した。早期利上げ観測から一時147.20付近へ急落した。その後、米債利回りが上昇、植田総裁会見で10月利上げに関する具体的な言及は見られず、148円付近まで買い戻されている。東京市場からは下に往って来いとなっている。 ユーロドルは1.17ドル台後半での取引。東京昼過ぎの1.1793付近を高値に、その後は軟調に推移している。ロンドン時間には安値を1.1751近辺まで広げている。ユーロ円は東京市場で174.50付近から173.48近辺まで1円幅で下落。しかし、ロンドン時間には買戻しが入り、174円付近で売買が交錯している。対ポンドではユーロ買いが優勢。 ポンドドルは1.35付近での取引。日本時間午後3時発表の8月の英公共部門純借入額(財政赤字に相当)が180億ポンドと前回の28億ポンド(11億ポンドから上方修正)や英予算責任局(OBR)予想128億ポンドを大きく上回ったことが背景。11月の秋季予算案発表が注目されるなかで、リーブス英財務相に再び試練が与えられている。英国債が下落するとともにポンド相場には売り圧力が掛かっている。ポンドドルは1.3560付近を高値に1.3483近辺まで下落。ポンド円は200円台半ばから一時199.37近辺まで下押しされた。ユーロポンドでもポンドが下落している。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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