【概略】 米商品先物取引委員会(CFTC)建玉明細報告によると、主要市場における9月 23日時点の大口投機家の売り越しは483万0988枚となり、前週の471万 5921枚から拡大した。取組高合計は5055万5191枚となり、前週から133 万0397枚(2.6%)減少した。 項目別では証券市場(株式、債券、為替)の取組高は、株式合計が20.0%減、債 券合計が2.2%減、為替合計が1.5%減となった。商品市場の取組高は、穀物合計 が1.8%増、エネルギー合計は0.8%減、金属合計は1.9%増となった。 項目ごとに大口投機家の動向を見ると、証券市場では、株式で新規買い、買い戻しが 入って売り越しを縮小、債券で手じまい売りが買い戻しを上回って売り越しを拡大し た。為替は新規買いが新規売りを上回って買い越し(ドル売り)を拡大した。 【現在の市場テーマと大口投機家の動向】 前週は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がインフレが想定以上のペースで 加速するリスクを指摘した。第2四半期の米国内総生産(GDP)確報値が上方改定さ れたが、8月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.7%上昇と事前予想と 一致した。CMEのフェドウォッチでは、10月と12月の利下げが織り込まれている が、12月の3.50〜3.75%の確率は65.1%(前週78.6%)に低下し た。 シカゴ為替市場の大口投機家は日本円が7万9500枚買い越し(前週6万1411 枚買い越し)、ユーロは11万4345枚買い越し(同11万7759枚買い越し)、 英ポンドは1964枚売り越し(同6580枚売り越し)となった。ユーロは手じまい 売り、新規売りが出て買い越しを縮小した。 商品市場では、原油がロシア産原油の供給不安を受けて買い優勢となり、8月6日以 来の高値66.42ドルを付けた。金は米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを 受けて史上最高値を更新したのち、上げ一服となったが、地政学的リスクや米政府機関 閉鎖の可能性を受けて押し目を買われた。 今回報告で大口投機家の取組は、ニューヨーク原油が10万2958枚買い越し(前 週9万8709枚買い越し)に拡大した。買い戻しが手じまい売りを上回った。ニュー ヨーク金は26万6749枚買い越し(同26万6410枚買い越し)、ニューヨー ク・プラチナは2万2042枚買い越し(同1万5203枚買い越し)に拡大した。金 は新規買いが新規売りを上回り、プラチナは新規買い、買い戻しが入った。 穀物市場で大口投機家は今回、コーンが5万1186枚売り越し(前週3万6169 枚売り越し)に拡大、大豆は5748枚買い越し(同2万1187枚買い越し)に縮小 した。コーン、大豆ともに手じまい売り、新規売りが出た。前週のコーンは、四半期在 庫前の手じまい売りと強気な輸出成約高を受け、もみ合いとなった。 MINKABU PRESS 東海林勇行
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