[今日の視点]貴金属=金が続伸、NY高を引き継ぐ

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、金が続伸して寄り付く見通し。金はニューヨーク高を受けて買い優勢とな
ろう。銀は夜間取引で下落した。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナがニューヨー
ク安を受けて軟調となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は52.01ドル高
の4153.63ドル、銀が42セント高の5138セント、プラチナが14.09ド
ル安の1629.91ドル、パラジウムは64.03ドル高の1516.00ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=151.82/84円で、前営業日の
大引け時点から0.06円の円高。
 先限の寄り付き目安は、金が2万0570円前後、銀は244.0円前後、プラチナ
は7750円前後、パラジウムは7000円前後。
【NY金は米中の貿易摩擦に対する懸念などが支援】
 金はきのうの海外市場は、米中の貿易摩擦に対する懸念などを受けて買い優勢となっ
た。
 金は米中の貿易摩擦に対する懸念などが支援要因になった。中国商務省は、トランプ
米大統領が中国製品への追加関税を表明したことを巡り、米国は脅しをかけながら中国
との交渉を求めることはできないとした。また韓国造船大手ハンファオーシャンの米国
子会社5社に対し、中国との取引を禁じる制裁を科すと発表した。中国への制裁につな
がる米政府の対中調査に協力したためとしている。米政府は、米国に入港する中国船の
運航事業者から巨額の手数料の徴収を始めた。これに対し、中国交通運輸省は報復措置
として、米国船を対象に「特別港務料金」を課すと表明した。
 米連邦準備理事会(FRB)のボウマン副議長(金融監督担当)は、年内に開かれる
あと2回の連邦公開市場委員会(FOMC)でそれぞれ利下げが決定されるとの見方を
改めて示した。パウエル米FRB議長は、米国の労働市場で採用も解雇も低調な停滞状
態が9月まで続いていたとしながらも、経済全体は「想定より幾分堅調な軌道」に乗っ
ている可能性があると述べた。
 トランプ米大統領は、パレスチナ自治区ガザの停戦合意の「第2段階が今から始ま
る」と投稿した。その後、ホワイトハウスでアルゼンチンのミレイ大統領と会談した
際、パレスチナのイスラム組織ハマスに対し、武装解除しなければ強制的に武装解除さ
せると伝えたことを明らかにした。
 銀はきのうの海外市場は、米中の貿易摩擦に対する懸念や金堅調を受けて押し目を買
われた。
【プラチナは利食い売りが圧迫】
 プラチナはきのうの海外市場は、利食い売りが出て軟調となった。
 プラチナは利食い売りが圧迫要因になった。米中の貿易摩擦に対する懸念を受けて金
が堅調となったが、プラチナは利食い売りが出た。ただ上海プラチナの出来高が872
枚に増加したことや、国際通貨基金(IMF)が世界経済見通しを上方修正したことが
支援要因である。今年の世界の国内総生産(GDP)成長率は3.2%と予測し、7月
時点の3.0%から引き上げた。トランプ米大統領が「相互関税」を課す意向を示した
4月時点の予想は2.8%だった。関税の影響や金融環境が当初の想定より穏やかだっ
たとして、2025年の世界のGDP成長率予想を上方修正した。
<今日の予定>
・中国消費者物価指数 2025年9月(国家統計局)
・中国生産者物価指数 2025年9月(国家統計局)
・ユーロ圏鉱工業生産 2025年8月(EUROSTAT)
・米消費者物価指数 2025年9月(労働省)、24日に発表
・米製造業景況指数 2025年10月(ニューヨーク連銀)
・米地区連銀経済報告・ベージュブック(FRB)
MINKABU PRESS 東海林勇行

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