【NY金は急落も金市場を囲む強気材料に変化はなし】 NY金12月限は10月13日以降、一代高値の更新が続き20日に4398ドルに 達した。4359.4ドルで引け、終値として指標限月として過去最高値を更新。しか し21日に急落となり、4100ドル割れとなった。22日は続落となり、10月13 日以降の上げ幅を2日で相殺する急落となっている。 金が史上最高値を更新した背景は米国の追加利下げ観測が挙げられる。米雇用の軟化 傾向が見られ、米連邦準備理事会(FRB)にとって追加利下げを肯定する要因になり 得る、との見方から10月末に開催される公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ 期待が強い。 つなぎ予算の可決が難航していることを受けて米政府の一部機関の閉鎖が長引くな か、米国の財政政策、金融政策決定のために必要とされる経済指標が入手不可となり、 その結果として、財政面および金融政策に遅れが生じる可能性が浮上していることも、 安全資産としての金需要を刺激した。 金の安全資産としての需要増が意識されるなかで、金ETF残高は増加傾向を維持し 10月20日に22年6月24日以来の高水準となる1058.66トンを記録した。 今週中に米政府機関の一部閉鎖が解かれるとの観測が浮上しながらも、米財政不安、 米経済不安といったNY金市場を取り囲む強気の環境は今のところ大きな変化は見られ ない。トランプ米政権は中国に対する米国製のソフトウエア搭載製品の輸出規制を検討 していると伝えられており、米中関係悪化の懸念がくすぶっていることも支援材料。 目先の注目要因は24日に発表される予定の9月の米消費者物価指数(CPI)で、 この報告で輸入コストの価格への転嫁が進んでいる様子が示されるようであれば、米経 済に対する不安が再び高まる可能性もある。 21日からNY金価格は修正安となったが、21、22日の下落で10月半ば以降の 過熱感が後退した。NY金12月限は4000ドルを支持線にする底堅い動きを見せる とみる。 MINKABU PRESS
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