[今日の視点]貴金属=総じて下落、米中の貿易協議合意見通しが圧迫

配信元:MINKABU PRESS
著者:MINKABU PRESS
 貴金属は、総じて下落して寄り付く見通し。金と銀はニューヨーク安を受けて売り優
勢となろう。プラチナ系貴金属(PGM)はプラチナが金軟調につれ安となろう。
 午前8時10分現在の現物相場は前営業日の引け時点と比べ、金は8.38ドル安の
4084.58ドル、銀が14セント高の4841セント、プラチナが13.40ドル
安の1604.20ドル、パラジウムは1.73ドル高の1419.16ドル。
 午前8時10分現在のドル・円相場は1ドル=153.13/15円で、前営業日の
大引け時点から0.18円の円安。
 先限の寄り付き目安は、金が2万0500円前後、銀は230.0円前後、プラチナ
は7250円前後、パラジウムは7100円前後。
【NY金は米利下げ見通しも米中の協議進展見通しで上げ一服】
 金は前週末の海外市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しが支援要因に
なったが、利食い売りが出て上げ一服となった。
 金は利食い売りに上値を抑えられた。トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が会
談する見通しとなり、貿易協議が進展するとみられた。ベセント米財務長官は26日、
マレーシアの首都クアラルンプールで行っていた米中閣僚級協議で「非常に実質的な枠
組み」に到達したと明らかにし、トランプ大統領が警告していた中国製品に対する
100%追加関税は回避され、中国のレアアース輸出規制が1年延期されることになる
と述べた。米中当局者によると、協議ではレアアースのほか、貿易拡大、合成麻薬フェ
ンタニルを巡る問題、米国の入港料、中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティック
トック)」米国事業の所有権移管などについても話し合った。
 9月の米消費者物価指数(CPI)は前年比3.0%上昇と前月の2.9%上昇から
伸びが加速した。ただ市場予想の3.1%は下回り、今週の米連邦公開市場委員会(F
OMC)で利下げが見込まれている。
 銀は前週末の海外市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しが支援要因に
なったが、金の上げ一服につれ安となった。
【プラチナは米利下げ見通しが支援】
 プラチナは前週末の海外市場は、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しを受け
て買い優勢となった。
 プラチナは米連邦準備理事会(FRB)の利下げ見通しが支援要因になった。9月の
米消費者物価指数(CPI)が事前予想を下回り、今週の米連邦公開市場委員会(FO
MC)で利下げが見込まれている。30日の米中首脳会談で貿易協議がまとまるとの見
方も支援要因である。
 ただ世界中の自動車メーカーが重要素材のレアアース(稀土類)を大慌てで探し回っ
ている。中国の輸出規制発動前に在庫を確保したいためだが、レアアース生産は中国が
圧倒的なシェアを占めており、自動車メーカー幹部は部品不足や工場の操業停止が起き
かねないと懸念している。レアアース磁石は自動車のサイドミラー、スピーカー、オイ
ルポンプ、ワイパー、燃料漏れ検知センサーやブレーキセンサーなどさまざまな部品の
モーターに使われており、電気自動車(EV)ではさらに重要度が高い。
<今日の予定>
●ニュージーランド(勤労感謝の日)
・中国工業利益 2025年9月(国家統計局)
・独景況感指数 2025年10月(ifo)
・米耐久財受注 2025年9月速報値(商務省)、発表延期見通し
MINKABU PRESS 東海林勇行

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