円売り優勢、日銀の早期利上げ観測後退で ドル円154円乗せ=ロンドン為替概況 ロンドン市場は、円売りが継続している。前日の米FOMCで12月利下げ観測が後退したことがドル買いに、そして本日の日銀決定会合を通過して円売りが強まっている。ドル円は両面から買いが強まっており、ロンドン昼にかけて154円台乗せへと高値を伸ばしている。今年2月以来の高値水準となっている。ロンドン朝方の植田日銀総裁会見では、早期利上げに関する具体的な言及はみられなかった。春闘の初動のモメンタムがどうか、という情報を集めたいなどとした。クロス円も円売りを受けて堅調。ユーロ円は178.80付近に高値を伸ばし、史上最高値を更新した。ポンド円は203.20付近に本日の高値を伸ばしている。ただ、対ユーロでの売り圧力もあり勢いはやや弱めだった。ドル相場は方向感に欠ける動き。ユーロドルは1.16台割れ水準から1.16台前半、ポンドドルは1.31台後半から1.32台前半での振幅となっている。これまでのところは円相場主導の展開になっている。 ドル円は154円台前半での取引。東京昼にかけて152.16付近までした押しされる場面があった。しかし、その後は上昇の流れが継続している。日銀決定会合では予想通り政策金利が据え置かれたが、利上げ主張委員が前回と同様の2名にとどまったことが早期利上げ観測を後退させた。さらにロンドン早朝の植田日銀総裁会見では早期利上げに関する具体的な示唆がなかったことが円売りを加速させている。前日米FOMCでの12月利下げ観測後退とともに円売り・ドル買いの動きが強まった。ロンドン昼にかけて154円台に乗せた。 ユーロドルは1.16付近での取引。東京午前から昼過ぎにかけては1.1597付近を安値に1.1637付近まで買われた。しかし、その後は上値が重くなっており、足元では1.16台を再び割り込み、安値をわずかに更新。ユーロ円はドル円とともに買われている。東京昼頃につけた176.82付近を安値に、その後は買いが継続。ロンドン昼には178.80付近に高値を伸ばした。対ポンドでもユーロ買い圧力も根強い。このあとのECB理事会で政策金利据え置きが継続する見込み。ラガルド総裁会見でも新味に欠けるとの見方が多い。 ポンドドルは1.31台後半での取引。東京午前から昼過ぎにかけて1.3190付近から1.3219付近まで買われた。その後はユーロドルとともに売りに押されており、ロンドン序盤には1.3174付近に安値を広げた。ポンド円は円売りが下支えとなり、東京午後の201.00付近からロンドン市場では203.20付近まで高値を伸ばしている。ユーロポンドは買いが継続。0.8791付近を安値に0.8813付近に高値を伸ばしている。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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