根強いドル高とともに、きょうは円買いとポンド売りの動き加わる=ロンドン為替概況 ロンドン市場は、根強いドル高とともに、円買いとポンド売りが加わっている。円買いは東京市場でドル円が154円台半ばを抜け切れなかった状況で、片山財務相が型どおりの円安けん制発言を行ったことがきっかけ。加えて、日経平均や米株先物が下落するなどリスク警戒の動きがみられた。ロンドン時間にも欧州株がほぼ全面安商状となっており、クロス円を中心に円高の動きがみられている。ポンド売りはリーブス英財務相の演説が背景。英経済や財政状況が困難な状況となるなかで、財政規律を強調している。しかし、具体策を示せないなかで、市場では増税への警戒感が広がっている。英債利回りの低下とともにポンド売りが強まっている。ポンドドルは1.31台前半から1.30台後半へと下落、ポンド円は200円台前半へ下押しされた。対ユーロでもポンドは下落。ユーロドルは1.15台前半での揉み合いの中で一時1.15台割れとなるなど、ドル高圧力が優勢。一方、ドル円は円買いが強まり、東京午前の154.48付近を高値にロンドン時間には154.30付近まで下落している。 ドル円は153円台前半での取引。東京午前に154.48付近まで買われ、2月以来の高値水準をつけた。しかし、154円台半ばで上値を抑えられ、その後は反落の流れとなっている。日経平均の下落など調整色が広がるなかで、片山財務相の円安けん制発言が効いたようだ。ロンドン序盤には153円台前半へと下落。その後の戻りは限定的で、足元では安値を153.30付近へと広げている。 ユーロドルは1.15付近での取引。東京午前に1.1498付近まで下落。その後は買い戻されてロンドン朝方には1.1534付近まで反発。しかし、再び上値が重くなると1.1495付近へと安値を再び更新。ポンドドルの下げに連れた面があった。ユーロ円はドル円とともに下落。東京早朝の177.73付近を高値に、ロンドン市場では安値を176.40付近まで広げている。対ポンドではユーロは堅調に推移している。 ポンドドルは1.30台後半での取引。東京朝方の1.3145付近を高値に1.3120付近に膠着したあと、ロンドン序盤からは一気に売りが強まった。英財務相の演説で経済や財政などが厳しい状況であることが示された。しかし、具体策もなく、市場では増税が必至との見方が広がったことが背景。ポンドドルは1.3059付近まで安値を広げた。ポンド円は東京朝方の202.75付近を高値に終日軟調に推移している。ロンドン序盤には200.32付近まで安値を広げた。ユーロポンドは0.8764から0.8810付近へと上昇。ポンド売りが目立つロンドン市場となっている。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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