株価指数先物【寄り前】 自律反発狙いのロングが入りやすい

配信元:株探
著者:Kabutan
大阪12月限ナイトセッション
日経225先物 50410 +100 (+0.19%)
TOPIX先物 3310.0 +16.0 (+0.48%)
シカゴ日経平均先物 50410 +100
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 7日の米国市場は、NYダウ、 S&P500が上昇した一方で、ナスダックは下落。これまで相場の上昇を牽引してきた半導体・人工知能(AI)関連銘柄の割高感が意識され売りが先行し、NYダウは400ドルあまり下落する場面もあった。その後、米連邦政府の一部閉鎖の解除に向けた動きが進展するとの思惑から、主力株の一角に買い戻しが入り、NYダウはプラス圏を回復。もっとも、ハイテク株の戻りは鈍く、ナスダック指数は続落した。フィラデルフィア半導体(SOX)指数も続落し、3日ぶりに7000台を割り込んで終えている。

 S&P500業種別指数は消費者サービス、保険、食品・飲料・タバコが上昇した半面、自動車・同部品、メディア、半導体・同製造装置の弱さが目立った。NYダウ構成銘柄では、コカ・コーラ、シャーウィン・ウィリアムズ、アムジェン、シェブロンが買われた。一方で、IBM、ナイキ、キャタピラー、ボーイングが軟調。

 シカゴ日経平均先物(12月限)の清算値は、大阪比100円高の5万0410円だった。日経225先物(12月限)のナイトセッションは、日中比130円高の5万0440円で始まった。5万0500円まで買われた後はショート優勢の流れから軟化し、5万円から5万0200円辺りで保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に下へのバイアスが強まり、4万9530円まで売られる場面もみられた。ただし、終盤にかけてショートカバーを交えたロング優勢の動きにより切り返しており、5万0410円とプラス圏を回復してナイトセッションの取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする形から、やや買い先行で始まりそうだ。支持線として意識される25日移動平均線(4万9300円)に接近してきたことで、自律反発狙いのロングが入りやすいだろう。米連邦政府の一部閉鎖が長期化するなか、上院共和党トップのスーン院内総務は9日、法案審議の手続きに関する採決を実施する方針であり、合意が「まとまりつつある」と述べたようだ。民主党が賛同するかは不透明だが、合意すればロングが強まりやすいため、結果を見極めたいところであろう。

 ただ、日経225先物は先週の調整でこれまで支持線として機能していたボリンジャーバンドの+1σ(5万0910円)を割り込んでいる。同バンドが心理的な抵抗線として意識されるほか、今週は11日にソフトバンクグループ<9984>[東証P]の決算発表が控えている。指数インパクトの大きい値がさの半導体・人工知能(AI)関連株に日経平均株価が大きく振らされる状況が目立つだけに、同社の決算後の反応を見極めたい。

 同社の決算がポジティブ視される形でリバウンドを強めてくると、他の半導体・AI関連株への買い戻しに向かわせ、先物市場でもロングが入りやすい。一方で、ネガティブな反応となれば、25日線割れから-1σ(4万7680円)水準が射程に入ることも考えられる。

 そのため、本日のところは25日線と+1σによる推移が意識されやすく、オプション権利行使価格の4万9875円から5万0875円のレンジを想定。戻り待ち狙いのショートが入りやすい需給状況だが、5万円割れから25日線水準では押し目狙いのロング対応とみておきたい。

 7日の米VIX指数は19.08(6日は19.50)に低下した。一時22.72まで急伸する局面もみられたが、終値では20.00を下回っている。足もとでリバウンド基調を強めているが、センチメントを測るうえで20.00を上回って終えるようだと、市場心理をやや神経質にさせそうである。ただし、200日線(19.43)水準で強弱感が対立していることもあり、同線に上値を抑えられる状況では過度な警戒感は強まらず、リスク選好に傾きやすい状況である。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で15.27倍(6日は15.34倍)に低下した。指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げのインパクトが大きく、結果的にNTロングを巻き戻す動きに向かった。一時15.16倍まで下げてきており、25日線(15.12倍)が射程に入ってきたことで、いったんリバランスが意識されそうだが、一方で25日線を明確に下回ってくると、NTロングの巻き戻しが強まる可能性があろう。

株探ニュース

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