【これからの見通し】米議会動向をめぐりリスク選好ムードが優勢、ドル円は154円台半ばがポイント 昨日の海外市場では米上院が政府機関閉鎖を終結させる法案を可決した。次は、下院での審議・採決が行われる運びとなっている。報道によると下院は米時間12日16時に最初の投票を予定しているという。ただ、時刻については流動的な状況だ。 米議会の一連の動きを受けて米株が急伸した。特にナスダック指数は5月末以来の急騰となった。JPモルガンが米政府機関再開、米経済再始動による流動性増加を理由に強気姿勢を維持するなど、楽観的な見方も広がっていた。 きょうの東京市場でもこの流れを受けてリスク選好ムードが広がった。ドル円は一時154.49レベルと2月以来の高値水準を更新した。ただ、このところ154.50付近で上値を抑えられる状況が続いている。政府からも「円安が輸入コストと消費者物価を押し上げている」と円安進行に警戒感が示された。その一方で、高市首相は「日本経済はデフレを脱却したとはいえない」と述べており、市場の日銀の早期利上げ観測に釘を刺す格好となった。ドル円相場は154円台は割り込まず、底堅さを維持している。 この後の海外市場でも、リスク選好ムードを引き継いだ展開が予想される。ただ、NY時間はベテランズデーのため債券市場が休場となる。ドル相場にとっての手掛かりに欠けることから、やや不安定な相場になりそうだ。通常よりも薄商いとなることが予想され、米議会関連の報道に敏感に反応する場面もありそうだ。 ロンドン時間には11月ドイツZEW景況感指数が発表される。市場予想は41.0と前回の39.3からの回復が見込まれている。ただ、米議会動向に市場の視線が集まるなかで、ユーロ相場の反応は一時的にとどまる可能性があろう。 発言イベント関連では、グリーン英中銀委員、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、スレイペン・オランダ中銀総裁、コッハー・オーストリア中銀総裁、エスクリバ・スペイン中銀総裁などのイベント参加が予定されている。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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