株価指数先物 【週間展望】―エヌビディア決算をトリガーにトレンド転換

配信元:株探
著者:Kabutan
 今週の日経225先物は、19日のエヌビディアの決算をトリガーにして方向性が大きく変わる可能性が高い。足もとは25日移動平均線とボリンジャーバンドの+1σとのレンジ内での推移を継続。先週は+1σを挟んだ値動きが続き、週末の大幅な下げで25日線水準まで売られた。これまでのレンジ内でのトレンドは維持している状況であり、いったんはリバウンドが意識される水準ではある。

 これまで相場を押し上げてきたソフトバンクグループ<9984>[東証P]やアドバンテスト<6857>[東証P]、東京エレクトロン<8035>[東証P]が調整を強めたことが、日経平均株価の重荷となった。これら指数インパクトの大きいAI(人工知能)・半導体関連株の下げでは、ソフトバンクグループが75日線、アドバンテストと東京エレクトロンが25日線まで調整をみせたことで、これらにもリバウンドが入りやすいところである。

 そのなかで、世界の投資家の注目を集めるエヌビディアの決算を受けた米国市場の動向が、相場を大きく動かす要因となるだろう。同社の決算で改めてAIの成長性への期待が高まれば、リバウンド基調の強まりが想定される。一方で、ネガティブな反応をみせてくるようだと、上記3社が支持線まで調整していた水準を割り込むことにもつながり、下へのバイアスが強まろう。

 日経225先物は14日の取引終了後のナイトセッションで、一時4万9690円まで売られたが、終盤にかけての切り返しにより5万円を上回って終えている。25日線(4万9950円)と+1σ(5万1400円)とのレンジをキープしているため、5万円近辺での底堅さが意識されそうだ。そのため、エヌビディアの決算が明らかになるまでは、25日線を支持線とした押し目待ち狙いのロングが入りやすいと考えられる。

 ただし、AI・半導体関連株の調整が強まったことで、需給状況はやや悪化傾向にあるとみられる。9月以降、強いトレンドを継続していたキオクシアホールディングス<285A>は決算内容が嫌気されて急落し、先週末はストップ安で終えている。上昇ピッチの速さもあってストップ安ながらもトレンドは崩れていないと考えられるが、戻りの鈍さが意識されてくると戻り待ち狙いの売りが警戒されよう。

 AI・半導体関連株はしばらく弱材料に敏感になりそうであり、日経225先物でもショートを誘う可能性がある。そのため、+1σ水準接近では戻り待ち狙いのショートが控えているとみられ、エヌビディアの決算がポジティブ視されたとしても、+1σ水準を明確に上抜いてこないと調整が続きそうである。

 また、反対に25日線を割り込んでくると、-1σが位置する4万8500円とのレンジに入る可能性が高まり、-2σが位置する4万7050円辺りまでの調整は警戒しておきたい。そのため、5万円を支持線として上は5万1500円、5万円が抵抗となれば4万8500円とのレンジを想定する。

 14日の米VIX指数は19.83(13日は20.00)に低下した。週間(7日は19.08)では上昇している。先週は12日に17.10まで低下する場面もみられたが、割高感が意識されていたAI・半導体関連株への持ち高調整の動きが強まったほか、米利下げ観測が後退したことで13日に急伸し、抵抗線として意識されていた200日線(19.45)を上抜いた。14日は低下したものの一時23.03まで上昇し、200日線を上回って終えている。ボトム圏での推移ではあるが、同線を支持線に変えた上へのトレンドが強まる可能性は警戒しておきたい。

 先週末のNT倍率は先物中心限月で15.00倍(13日は15.14倍)に低下した。週間(7日は15.27倍)でも下落している。本格化した決算のほか、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の下げの影響が大きく、ディフェンシブやバリュー株への資金シフトによってNTショートの動きが強まった。週後半にかけてこれまでの25日線と+1σとのレンジを下抜き、-1σ(14.98倍)まで下げてきた。いったんはNTショートの巻き戻しが入りやすいだろうが、エヌビディアの決算によって25日線(15.21倍)、もしくは-2σ(14.76倍)へのトレンドが出やすいとみておきたい。

 11月第1週(11月4日-7日)の投資部門別売買動向によると、海外投資家は現物と先物の合算では2週連続の売り越しであり、売り越し額は5877億円(10月第5週は1893億円の売り越し)だった。なお、現物は3559億円の売り越し(同3459億円の買い越し)と6週ぶりの売り越し。先物は2317億円の売り越し(同5353億円の売り越し)と4週連続の売り越しだった。個人は現物と先物の合算で6260億円の買い越しと3週ぶりの買い越し。信託銀行は現物と先物の合算で8億円の売り越しとなり、2週ぶりの売り越しだった。

 主要スケジュールでは、11月17日に7-9月期GDP、米国11月ニューヨーク連銀製造業景気指数、18日に10月訪日外客数、米国10月輸出入物価指数、米国10月鉱工業生産、19日に9月機械受注、10月貿易収支、米国10月住宅着工件数、FOMC議事録(10月28日・29日開催分)、20日に米国10月コンファレンスボード景気先行指数、21日に10月全国消費者物価指数、米国11月製造業PMIなどが予定されている。米政府機関の一部閉鎖は解除されたが、発表を延期していた指標については随時発表されることになろう。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
12月限 日経225 39434.85  TOPIX  2738.68
01月限 日経225 39343.19  TOPIX  2726.70
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
02月限 日経225 39432.64  TOPIX  2775.06
03月限 日経225 36483.79  TOPIX  2684.98
04月限 日経225 32737.29  TOPIX  2418.70
05月限 日経225 37572.13  TOPIX  2733.00
06月限 日経225 38172.67  TOPIX  2776.06
07月限 日経225 40004.61  TOPIX  2830.46
08月限 日経225 41368.58  TOPIX  3004.82
09月限 日経225 45016.28  TOPIX  3175.61
10月限 日経225 48779.14  TOPIX  3241.66
11月限 日経225 50323.66  TOPIX  3339.97

◆日経225先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/12 11月14日  51230  51270  50010  50330  -970
25/12 11月13日  51140  51430  50980  51300  +180
25/12 11月12日  51020  51180  50580  51120  -40
25/12 11月11日  51050  51550  50610  51160  +110
25/12 11月10日  50440  51060  49530  51050  +740

◇TOPIX先物(日足)
         始値   高値   安値   清算値  前日比
25/12 11月14日  3382.0  3382.5  3323.5  3353.5  -33.0
25/12 11月13日  3366.0  3392.5  3362.5  3386.5  +20.5
25/12 11月12日  3325.0  3366.5  3318.5  3366.0  +35.0
25/12 11月11日  3326.0  3346.0  3312.0  3331.0  +6.5
25/12 11月10日  3302.5  3330.5  3268.5  3324.5  +30.5

●シカゴ日経平均 円建て
          清算値  前日大阪比
11月14日(12月限) 50430 +10
11月13日(12月限) 50095 -1205
11月12日(12月限) 51255 +135
11月11日(12月限) 51120 -40
11月10日(12月限) 51275 +225
 ※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
        売り   前週末比   買い      前週末比
11月07日    712億円  +691億円  1兆8664億円  -2818億円
10月31日     20億円   +8億円  2兆1483億円  -3066億円
10月24日     12億円  -499億円  2兆4549億円  +2932億円
10月17日    511億円  +489億円  2兆1617億円  -4271億円
10月10日     22億円 -2058億円  2兆5888億円  +3076億円
10月03日    2080億円  +538億円  2兆2812億円  -3067億円
09月26日    1542億円  +599億円  2兆5880億円  +1936億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
        売り      前日比  買い       前日比
11月12日    2571万株   +908万株  8億5252万株   +7312万株
11月11日    1662万株    +32万株  7億7940万株   +453万株
11月10日    1630万株    +32万株  7億7487万株   +479万株
11月07日    1598万株   +1526万株  7億7008万株   -2206万株
11月06日     71万株   -618万株  7億9214万株   -1254万株
11月05日    690万株   +618万株  8億0469万株   -7343万株
11月04日     72万株    ±0万株  8億7812万株   -292万株
10月31日     72万株    ±0万株  8億8105万株   +2831万株
10月30日     72万株    +16万株  8億5273万株   -1223万株
10月29日     55万株    ±0万株  8億6497万株   -2788万株
10月28日     55万株    ±0万株  8億9286万株   -8064万株
10月27日     55万株    ±0万株  9億7350万株   -5999万株
10月24日     55万株    ±0万株  10億3350万株   -1008万株
10月23日     55万株    -14万株  10億4358万株   -770万株
10月22日     69万株    +14万株  10億5129万株   +3904万株
10月21日     55万株   -805万株  10億1224万株   +4138万株
10月20日    861万株   -347万株  9億7085万株   +2248万株

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