根強い円売り圧力、ドル円155円台 欧州株は軟調推移も=ロンドン為替概況 ロンドン市場は、根強い円売り圧力が観測されている。今週は世界的な株安連鎖となっている。AIバブル崩壊との声も挙がる動き。高リスク資産の暗号資産が今年の上げを消したほか、本来は安全資産である金相場にも売り圧力が掛かっている。そのようななかで、きょうの日経平均は1600円超安となるなどリスク回避の動きが強まった。ドル円は東京午後に154円台後半へと下落。しかし、欧州株が下落し米債利回りが低下するなかでもロンドン時間には円安方向に流れが転じている。ドル円は155円台回復から本日の高値を伸ばしている。クロス円も同様に、東京午後の下げを消して高値を更新。根強い円売りの背景には円キャリー取引への動因が働いているようだ。この日は高市首相と植田日銀総裁の初会談が実施されたが、「首相から政策で要望はなかった」と総裁は述べており、新たな材料は出てこなかった。英欧経済指標発表はなし。市場は米ADP週次雇用報告に注目しているもよう。 ドル円は155円台前半での取引。世界的に株安連鎖が広がるなかで、ドル円は東京午後には日経平均急落を受けて154.82付近まで下押しされた。片山財務相の円安けん制の影響も指摘された。しかし、その後は下げ渋りと、ロンドン時間には円安方向に振れている。欧州株安や米債利回り低下の状況ではあるが、根強い円キャリー取引の動きがみられている。155円台を回復すると高値を155.40台へと伸ばしてきている。 ユーロドルは1.15台後半での取引。ロンドン序盤の1.1606付近を高値に、その後の1.1580付近を安値とするレンジを形成している。足元では1.16をやや下回る水準に落ち着いている。ユーロ円はドル円と同様の動き。東京午後の179.61付近を安値に買われ、ロンドン時間には高値を180.10付近に伸ばしている。対ポンドではややユーロ高の動き。この日は目立った欧州経済統計発表は無かった。 ポンドドルは1.31台前半での取引。ロンドン序盤の1.3177付近を高値に、その後は1.3140割れへと軟化している。ポンド円は東京午後の203.70付近を安値に買われ、ロンドン時間には高値を204.36付近に伸ばしている。ユーロポンドは0.8806から0.8818の狭いレンジで、ややポンド安の動き。この日は目立った英経済統計発表は無かった。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
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