今月30日、31日の米FOMC(連邦公開市場委員会)での利下げについて、 少なくとも0.25%の利下げを実施するとの見通しは、 金利市場動向からの織り込みで100%が続いていますが、 一気に0.50%の引き下げもあるのではという見通しについてはかなり揺れています。 CME先物動向から計算された利下げ確率(CMEFedWatch)をみると 据え置きに終わった前回6月18日、19日のFOMC直後は、声明での「辛抱強くなれる」の削除などもあり 38.5%まで大幅利下げ見通しが上昇。その後24日に最高42.6%までと、半数近いところまで期待が強まるという状況になりました。 その後は少し期待が収まり、30%前後まで数字が落ち着いた後、 5日の米雇用統計での非農業部門雇用者数の好結果を受けて 一気に5%前後まで低下。 0.50%の大幅利下げはほぼないという印象が広がりました。 しかし、10日のパウエルFRB議長による議会証言を受けて 市場では早期かつ積極的な利下げへの思惑が強まり 再びの30%超えまで期待が強まる格好に。 ところが、翌11日の米消費者物価指数(CPI)において 総合の前年比の数字は予想通り弱かったものの 食品・エネルギーを除くコアの前年比が予想外に上昇したことで 再び0.50%の利下げ期待が後退し、20%前後となるなど 不安定な動きが続いています。 FOMC本番まではこうした不安定な状況が続く可能性があります。 政策金利動向に対する思惑は相場を動かす大きな材料だけに 予想を変化させるような材料には要注意。 そうした中、来週は16日火曜日に6月の米小売売上高の発表が予定されています。 前回5月分の小売売上高は前月比+0.5%と、 事前予想の+0.6%には届かなかったものの、4月分の+0.3%からやや改善。 月毎のブレが大きい自動車を除くコアも+0.5%となっています。 項目別にみると自動車、電気製品など耐久消費財の売り上げが堅調。 景気がいいと強くなりがちなスポーツ・書籍・趣味商品も強く まずまずの印象でした。 今回は全体の予想が+0.2%、自動車を除くコアの予想が+0.1%と やや鈍いものとなっています。 ガソリンの小売価格がかなり下落(全米全種での月中平均は約4.8%の低下)しており ガソリンスタンド売り上げが減っていることが見込まれていることが全体の重石に。 (生活必需品であるガソリンは値段が下がったからといって売り上げ量がその分増えるものではないので) 前月総合・自動車除くコアと同様に前月比+0.5%を記録した 自動車とガソリンを除いた数字は+0.3%が見込まれています。 予想前後の数字であれば 強いとは言い難いものの、一気に0.5%の利下げ期待が強まるというほどではなく ドル売りの動きは限定的なものが予想されます。 予想をさらに下回りマイナス圏に落ち込むようだと要注意。
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