<金> NY金8月限は6月17日にかけて浮上し4403.6ドルと6月5日以来の高値 4400ドルを記録した。その後、反落し、24日に3975.7ドルと昨年10月以 来となる4000ドル割れを示現。25日に再び4000ドル割り込む場面が見られた 後に買い戻されながらも、終値は4041.6ドルと前週比で204.3ドル安と大幅 安状態。 米国とイランとの間で行われている戦闘終結の最終合意に向けた協議の進展や、ホル ムズ海峡を経由する石油の輸送回復を受けて中東情勢不安やエネルギー供給不安が後退 していることで、NY原油は米国とイランの戦闘が開始された直後の3月上旬の水準ま で下落している。 2月28日に開始された米国とイランの戦闘やその後のイランによるホルムズ海峡の 実質的な支配を受けて原油は高騰し、一時は100ドル超まで値を伸ばした。この原油 価格高騰の影響で、米消費者物価指数は3月以降、上昇傾向を維持し5月には4.2% と23年4月以来の高水準に達している。 また、5月の米生産者物価指数(PPI)も上昇し、+6.5%と約3年半ぶりの水 準まで上昇するなど、インフレ高進の状況にあったが、米小売売上高は事前予想を上回 る伸びを見せており、消費意欲の底堅さが示されている。 これは、世界的な人工知能(AI)需要の増加が、AI関連企業の決算を押し上げて いることで米株が堅調となっていることや、データセンターの拡充の動きが雇用を生み 出していることがその一因になっている。 インフレ下でも好調を保った個人消費は、原油価格の下落によるインフレ後退により 更に刺激されると予想されるが、この好調な経済は米連邦準備理事会(FRB)による 利上げ観測を強める要因となる。 金は金利による差益を生み出さない、とされるだけに利上げはNY金にとっての上値 抑制要因になるが、同時に利上げを見込んだドル高傾向も、ドル建てで取引されるNY 金にとっての重石になると予想される。NY金8月限は4000ドル前後での値固めが 続きそうだ。 <銀> NY銀9月限はNY金の軟調に追随する売りが見られるなか24日に5617セント まで値を落とした。その後、25日は買い戻されたが、この日の終値は5879.7セ ントと昨年12月上旬以来の低水準にとどまっている。 産業用としての銀需要の増加について織り込み感が強まるなか、米利上げ観測やこれ を受けたドル買いの動きが上値抑制要因として意識されるなかでの高下が続いている。 需給要因に織り込み感が強いだけに、売り一巡感が強まれば6000セント近くまで の自律反発はあるが、本格反騰は金の出直りが必要だ。 <白金> NY白金10月限は25日に1563.2ドルまで下落。その後は浮上に転じて終値 ベースでは1600ドル台を回復している。 世界的な人工知能(AI)需要を受けた設備投資が見込まれるものの、2200ドル を上回る水準までの上昇した。しかしイラン戦争の長期化や米金利の引き上げ観測で大 幅な調整安を強いられた。 米国の利上げ観測の高まりを受けたドル買いの動きが引き続き売り要因となるなか、 NY白金10月限は1600ドルを挟んでの高下が続くと予想される。 <パラジウム> NYパラジウム9月限は24日に1156ドルまで下落。この水準で買い戻されたも のの、1200ドルを上抜くと売り直される頭重い動きとなっている。 ドル高傾向のなか、NY金、NY白金の低迷が予想されるだけに、これに追随しての 安もちあいが見込まれる。 MINKABU PRESS
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