10日の東京株式市場は思惑錯綜のなか終始不安定な値動き。日経平均は前場高かったが後場値を崩し、終盤は再び下げ幅を縮小する方向感の定まらない展開だった。 大引けの日経平均株価は前営業日比57円21銭安の2万1344円92銭と5日続落。東証1部の売買高概算は17億4057万株、売買代金概算は3兆1340億3000万円。値上がり銘柄数は1055、対して値下がり銘柄数は1004、変わらずは81銘柄だった。 きょうの東京市場は、米中両国の間で再び先鋭化する貿易摩擦問題が意識され不安定な値動きを余儀なくされた。米政府は日本時間きょう午後1時1分、中国からの輸入製品2000億ドル分に対し制裁関税を10%から25%に引き上げた。これによる米中関係の悪化や、世界経済に及ぼす悪影響などが嫌気され、主力株中心に買いが見送られた。瀬戸際での米中交渉の進展思惑から前引けの日経平均は143円高で着地したが、後場はその期待が剥落したことから先物主導で売られ、一時220円を超える下げをみせた。ただ、日経平均は目先売られ過ぎとの見方も強く、終盤にかけて買い戻しや押し目買いが入り下げ幅を縮小。値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が拮抗するなか、値上がりがやや優勢で個別株の物色意欲は旺盛だった。全体売買代金も、オプションSQ算出が絡んだとはいえ、3兆1000億円台と高水準だった。 個別では、ファーストリテイリング<9983>が上値追い継続、ソニー<6758>も堅調。武田薬品工業<4502>も買い優勢だった。ZOZO<3092>が高く、SUMCO<3436>、安川電機<6506>なども上昇した。ニホンフラッシュ<7820>、富士ソフト<9749>、ケーズホールディングス<8282>がストップ高となり、日本ユニシス<8056>も一時値幅制限上限に買われた。ヴィンクス<3784>、日工<6306>も値を飛ばした。低位ではディー・エル・イー<3686>が物色人気となった。 半面、ソフトバンクグループ<9984>が売られ、三菱商事<8058>も値を下げた。昭和電工<4004>、東海カーボン<5301>の下げも目立つ。元気寿司<9828>、三井E&Sホールディングス<7003>、武蔵精密工業<7220>などが大幅安に売られたほか、三菱自動車<7211>も急落した。日立キャピタル<8586>、テクマトリックス<3762>なども大きく下値を探る展開に。 出所:minkabuPRESS 株式情報
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