【これからの見通し】リラの下落は一服も人民元安などでドル高圧力残る、今日は米小売売上高 この後の海外市場ではドル買い圧力が継続か。トルコリラの下落は一服しているが、人民元安など新興国通貨安がドル高圧力となっている。 エルドアン・トルコ大統領はきょう対米関税の発動を発表した。トルコリラは一時売られたが、足元では買い戻されている。リラ円は一時17円台割れも、再び17円台を回復している。関税発動はまだIT製品や航空機など重要品目にはいたらず、市場ではポーズに過ぎないとの声があった。 一方、きょうは人民元が軟化している。1ドル=6.90台から6.93台の一歩手前までドル高・人民元安が進行。中国当局がゲームライセンスの承認を凍結したとの一部報道をうけてテンセント株が大幅安となっており、中国株の下げを主導している。日経平均もきょうは軟調。再びリスク回避の動きが警戒されそうだ。 ただ、為替市場ではドル高の圧力が主導しており、ドル円自体は111円台前半で底堅く推移。ユーロドルや豪ドル/ドルの下落とともにクロス円が売られるパターンとなっている。この後の海外市場でも、トルコ情勢などの事態改善がみられなければ、ドル高の動きが続きそうだ。 イベント予定は経済指標発表が中心に。英国では7月消費者物価指数など一連の物価統計が発表される。事前予想では消費者物価前年比は+2.5%と前回6月の+2.4%からやや上向く見込み。物価統計全体をみわたすと、予想段階では前回から目立った変化はなさそうだ。 米国ではMBA住宅ローン申請指数(10日までの週)、小売売上高(7月)、NY連銀製造業景況指数(8月)、鉱工業生産(7月)、設備稼働率(7月)、企業在庫(6月)、対米証券投資(6月)といった一連経済指標が発表される。特に小売売上高の注目度が高そうだ。事前予想は前月比+0.1%、輸送機器除く前月比+0.3%といずれも前回6月からは伸びが鈍化する見込みとなっている。 トルコリラや人民元動向とともに米経済指標結果にも注目したい。 minkabu PRESS編集部 松木秀明
みんなの株式をはじめ、株探、みんかぶFX、みんなの仮想通貨など金融系メディアの 記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコン テンツなど幅広く提供しています。