ゴム週刊情報

著者:小網 太郎
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◆ファンダメンタルズ

【産地】USSのタイ主要卸売3市場の一日の取引は80~90トン。10月21日の価格はキロあたり53.30~54.30バーツ、RSS3号タイ主要港11月積価格は188.0~190.0セント。

【在庫】全国生ゴム営業倉庫在庫の最新データは、9月20日現在12,136トン(前旬比572トン増)。

 9月中旬の入出庫は入庫1,016トン、出庫444トン。

◆展開予想

 JPXゴムは続伸、上海ゴムが低在庫懸念を背景に中心限月1月限が16,000元を伺う水準まで急騰する中でJPXゴム先限も249.8円まで大幅上昇したが、中国当局が高騰していた石炭の安定供給の為に介入を検討すると表明後に中国商品全般が急落、上海ゴムも先週末水準まで下落しJPXゴムも上げ幅を削った。株式市場は概ね堅調、とりわけ米株の強さが目立った。商品市場は上下動したものの原油・金は新規材料に欠け週間では横ばい、ドル円は年初来安値更新後利益確定もあってか前週比円高ドル安の114円近辺での値動きとなっている。

 10月22日正午過ぎ現在RSS先限は238.7円前後、TSR1月限(中心限月)は201.0円前後の取引。週の高値はRSS249.8/TSR203.7円、週の安値はRSS230.0円/TSR195.6円。

 現物価格は221.0円程度、取引はUSS減少・RSS増加も上海ゴム上昇の影響はRSS取引で見られた。国内市場は順鞘幅縮小、期近は極端に流動性が低く商いの中心3月限価格次第で鞘が変動した。上海ゴムは当局への警戒感から急落となったが低在庫環境は大きく変化ないとみられ、売り一巡後は反発の芽も出るだろう。一方でJPXゴムは上海ゴム下落幅見合いでは下げ幅が少なく産地対比でも割安感は少ない。下落場面で買い余力を持つ観点からは一旦玉を整理し押し目買い機会を待っても良いだろう。先限は230.0~250.0円を予想する。


 

 

 

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このコラムの著者

小網 太郎(コアミ タロウ)

国際法人部ゴム担当。
http://www.okachi.co.jp