シェール業者の開発動向に動きあり①

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。主要株価指数の下落などで。54.39ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ドルインデックスの反落などで。1,529.95ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。20年01月限は11,375元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反落。19年09月限は422.4元/トン付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで687.6ドル(前日比7.8ドル拡大)、円建てで2,291円(前日比25円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(8月15日 18時57分頃 先限)
 5,160円/g 白金 2,869円/g 原油 35,580円/kl
ゴム 167.2円/kg とうもろこし 22,410円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)
東京原油 1時間足

出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「シェール業者の開発動向に動きあり①」

前回は「米シェールの生産効率、徐々に過去最高に接近」として、米シェール主要地区の生産効率を示す指標について書きました。

同地区における油井の生産効率の一端を示す、新規1油井当たりの原油生産量が回復していることについて触れました。

今回は「シェール業者の開発動向に動きあり①」として、同じ米シェール主要地区の油井の件で、掘削済・未仕上げ坑井についてです。

掘削済・未仕上げ坑井とは、“DUC(drilled but uncompleted)”のことで、掘削が完了したが、仕上げが終わっていない坑井のことです。

シェール開発は、掘削する場所を探す「探索」、掘削および生産ができるように作業を施す「開発」、そして「生産」の3段階に分かれています。

DUCは3段階の真ん中の「開発」に関わる指標です。

「開発」は「掘削」とその次に行う「仕上げ」のおおむね2つに分かれています。

掘削とは、掘削機(リグ)を使って井戸を掘る作業で、仕上げとは、掘削した井戸の壁面をセメントで固めた上で、シェール層に位置する坑井の末端部分に、高圧で水と砂を少量の化学物質を注入する作業です。

仕上げが完了すれば、原油の生産が可能になります。

一連の「開発」行程で、掘削を終えたものの、仕上げが行われていない井戸が存在し得ます。これがDUCです。

ここ数カ月、DUCは減少傾向にあります。

DUCの数を決めるのは、掘削が完了した井戸の数と仕上げが完了した井戸の数です。

掘削が完了した井戸の数が仕上げが完了した井戸の数よりも多ければ、DUCは増えます。(逆もしかりです)

次回以降、掘削済井戸数と仕上げ済井戸数の両方のデータに注目します。

シェール業者が掘削と仕上げ、どちらに力を入れているかで業者たちが原油相場の動向をどのように考えているのかの一端を垣間見ることができると筆者は考えています。

図:米シェール主要地区の掘削済・未仕上げ坑井(DUC)の数 単位:基
米シェール主要地区の掘削済・未仕上げ坑井(DUC)の数

出所:米エネルギー省(EIA)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。