米シェールの生産効率、徐々に過去最高に接近

著者:吉田 哲
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原油(WTI先物)反落。原油コメントなどで。56.42ドル/バレル近辺で推移。

金反落。金コメントなどで。1,511.65ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。20年01月限は11,525元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。19年09月限は431.6元/トン付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで657.9ドル(前日比3.5ドル拡大)、円建てで2,193円(前日比10円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

東京市場は以下のとおり。(8月14日 19時3分頃 先限)
 5,118円/g 白金 2,925円/g 原油 37,260円/kl
ゴム 168円/kg とうもろこし 22,560円/t

●東京原油 1時間足 (単位:円/キロリットル)


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードCX」より

●本日のグラフ「米シェールの生産効率、徐々に過去最高に接近」

前回は「ついに現実味を帯びた、米シェールだけで日量1000万バレル」として、一昨日米エネルギー省(EIA)が公表した、米シェール主要地区の原油生産量の動向について書きました。

2020年11月にも、米シェール主要地区の原油生産量が日量1000万バレルに達する可能性があると筆者は考えています。

今回はこの米シェールの件に関連して、米シェール主要地区の生産効率を示す指標について書きます。

一昨日、EIAが公表したデータに、新規1油井あたりの原油生産量、が収録されています。

これは、EIAが提唱する7つの米シェール主要地区それぞれの、生産を開始してから数カ月間の新しい油井1つあたりから生産される原油の量を示すものです。

新しい油井に限りますが、米シェールの油井の生産効率の一端を垣間見ることができる貴重なデータだと筆者は考えています。

新規1油井あたりの原油生産量が多ければ生産効率が良い、逆に少なければ効率が悪いと言えます。

以下のグラフは、7つの地区の平均を示したものです。

徐々に回復傾向にあることがわかります。

2016年10月ごろにピークをつけ、その後減少したものの、2017年半ばごろから反転し、増加傾向にあります。

2019年7月時点では日量757バレルでした。2016年10月は日量783バレルでしたので、徐々に過去最高に迫ってきていると言えます。

この生産効率の向上は、米シェール主要地区の原油生産量を増加させる大きな要因であると考えられます。

図:米シェール主要地区の新規1油井あたりの原油生産量(7地区平均) 単位:バレル/日量


出所:米エネルギー省(EIA)のデータをもとに筆者作成

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。