[Vol.1131] 年内の価格見通し:金・原油反発か

著者:吉田 哲
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原油反発。米主要株価指数の反発などで。67.70ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの低下などで。1,771.40ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年05月限は14,740元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年01月限は446.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで832.5ドル(前日比3.15ドル拡大)、円建てで2,989円(前日比48円縮小)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(12月3日 大引け 6番限)
6,448円/g 白金 3,459円/g
ゴム 240.6円/kg とうもろこし 37,700円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「年内の価格見通し:金・原油反発か」

前回は、「OPECプラス、予定通りの減産幅縮小にとどめるか」として、12月2日(木)のOPECプラスの会合について、筆者の考えを述べました。

今回は、「年内の価格見通し:金・原油反発か」として、年内の金(ゴールド)と原油の価格見通しについて、筆者の考えを述べます。

以下のとおり、金(ゴールド)と原油の年内の価格見通し(レンジ)は、ともに反発すると考えます。

新型コロナの変異株が拡大しはじめたことで「有事のムード」が強まりつつあることは、資金の逃避先需要を増やし、金(ゴールド)相場にさらなる上昇圧力をかける要因になっていると、考えられます。

また、[Vol.1130]に述べたとおり、12月2日(木)の会合でOPECプラスが「想定を超える過剰な減産縮小(増産)」を行わないことを決定しました。このことは、今後も原油相場に上昇圧力をかけ続けると、考えられます。

金(ゴールド)、原油ともに、上昇も下落も、両方の圧力を受けているわけですが、どちらかといえば、上昇圧力が勝る展開が続き、価格は反発すると、現時点では考えています。図内に示したリスク要因に、十分注意しながら、今後の相場動向を注視したいと思います。

図:年内の予想レンジ


出所:マーケットスピードⅡより筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。