週刊石油展望

著者:三浦 良平
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 今週の原油相場は、景気後退懸念から上値は重いもののレンジ相場でもみ合いの展開か。レベル的にはWTIで51~57ドル、ブレントで56~61ドル、積極的な動きが取りづらくペナント型のチャートを形成しそうに見える。現状、中東の地政学的リスクは緩和してきており、株式市場同様にトランプ大統領の発言に振り回される動きが継続しそうだ。15日に中国財務省が米国への対抗措置に言及したが、トランプ大統領は「究極の報復手段」で応じると牽制している。また、米中は香港デモに絡んでも対立が激化する懸念もあり、目先は習主席との電話会談の結果にも注目が集まる。米中対立の長期化は避けられない流れだが、トランプ大統領としてもこれ以上のNYダウ安は避けたいところで、相関性の高い原油相場も安値ではサポートされやすくWTIで50ドル、ブレントで55ドルを割り込む展開はあっても一時的と考える。
 

 

 

このコラムの著者

三浦 良平(ミウラ リョウヘイ)

エネルギー部課長として国内商社や地場SS等を担当。
世界経済の動向、石油現物価格、シンプルなテクニカル分析をもとに相場分析を行います。北海道出身。