[Vol.1190] 金(ゴールド)相場、2000ドル到達

著者:吉田 哲
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原油反発。ウクライナ情勢の悪化などで。123.56ドル/バレル近辺で推移。

金反発。ウクライナ情勢の悪化などで。2,000.90ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反発。22年05月限は13,785元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年04月限は761.4元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで848.6ドル(前日比1.2ドル縮小)、円建てで3,178円(前日比13円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月7日 17時42分頃 6番限)
7,364円/g 白金 4,186円/g
ゴム 252.5円/kg とうもろこし 49,240円/t

●NY金先物(期近) 日足  単位:ドル/トロイオンス


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「金(ゴールド)相場、2000ドル到達」

前回は、「原油相場13年半ぶり一時116ドル超」として、3月3日にWTI原油先物が13年半ぶりの高値に達したことについて、書きました。

今回は、「金(ゴールド)相場、2000ドル到達」として、3月4日にNY金先物が2000ドルに到達したことについて、書きます。

3月7日(月)日本時間午前、金相場が2020年9月以来、1年6か月ぶりに1トロイオンスあたり2000ドルを超えました。円建ての金先物も、一時7370円を超えるなど騰勢を強め、史上最高値を更新しました。

金(ゴールド)価格が猛然と上昇しています。ロシア軍がウクライナに侵攻した2月24日、急上昇しその後、やや反落したものの、翌週に入り、銀行決済機構からロシアを排除する旨の報道が出て以降、どんどんと上値を切り上げています。

特に今週に入り、一段と騰勢を強めています。ブリンケン米国務長官が「ロシア産石油の輸入禁止を協議する」と発言したことを受け、原油高がさらに進行し、インフレ(物価高)がさらに厳しくなるとの見方が浮上したことが一因とみられます。

物価高は「相対的な通貨安」という意味があり、その通貨安が「代替通貨」として金(ゴールド)を物色する動機になり得ます。原稿執筆時点で、1トロイオンスあたり2000ドル近辺で推移しています。

以下のとおり、史上最高値は、2020年8月につけた2089ドルです(取引時間中。中心限月ベース)。ロシアを銀行決済機構から排除することが報じられた直後から始まった上昇劇が継続すれば、史上最高値を更新する可能性があります。

図:NY金(ゴールド)先物の価格推移(中心限月 60分足) 単位:ドル/トロイオンス


出所:ミンカブ・ジ・インフォノイドの資料をもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。