[Vol.1189] 原油相場13年半ぶり一時116ドル超

著者:吉田 哲
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原油反発。ウクライナ情勢の悪化などで。108.77ドル/バレル近辺で推移。

金反発。米10年債利回りの反落などで。1,938.30ドル/トロイオンス近辺で推移。

上海ゴム(上海期貨交易所)反落。22年05月限は13,690元/トン付近で推移。

上海原油(上海国際能源取引中心)反発。22年04月限は689.9元/バレル付近で推移。

金・プラチナの価格差、ドル建てで852.75ドル(前日比0.05ドル縮小)、円建てで3,211円(前日比12円拡大)。価格の関係はともに金>プラチナ。

国内市場は以下のとおり。(3月4日 14時56分頃 6番限)
7,169円/g 白金 3,958円/g
ゴム 255.4円/kg とうもろこし 45,790円/t

●NY原油先物(期近) 日足  単位:ドル/バレル


出所:楽天証券の取引ツール「マーケットスピードⅡ」より

●本日のグラフ「原油相場13年半ぶり一時116ドル超」

前回は、「湾岸戦争とイラク戦争前後の値動き」として、湾岸戦争とイラク戦争が「勃発」した前後1年間の、金と(ゴールド)と原油の価格推移を確認しました。

今回は、「原油相場13年半ぶり一時116ドル超」として、3月3日にWTI原油先物が13年半ぶりの高値に達したことについて、書きます。

国際的な原油価格の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は、今週に入り急上昇し、日本時間3月3日午後、116ドル台を付けました。リーマンショックが発生した2008年9月以来、13年半ぶりの水準です。

ロシアがウクライナに侵攻したと報じられた2月24日(木)に、瞬間的に100ドルに到達した後、翌25日に90ドル台に下落し、上昇劇はいったん収まったように見えました。

しかし、今週に入り、急上昇しました。およそ4日間で20ドル超も価格が上昇したのは、異例です。

急騰劇を説明する上で浮上するキーワードは、「ウクライナ国内の情勢悪化」と「主要国がロシアに対し制裁発動」、そして「主要エネルギー企業がガバナンスを重視」の3つです。次回以降、この3つについて深堀りします。

図:WTI原油先物の価格推移(期近 月足) 単位:ドル/バレル


出所:ブルームバーグのデータをもとに筆者作成

 

このコラムの著者

吉田 哲(ヨシダ サトル)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト
1977年生まれ。2000年、新卒で商品先物会社に入社。2007年よりネット専業の商品先物会社でコモディティアナリストとして情報配信を開始。2014年7月に楽天証券に入社。2015年2月より現職。“過去の常識にとらわれない解説”をモットーとし、テレビ、新聞、雑誌などで幅広く、情報配信を行っている。2020年10月、生涯学習を体現すべく、慶應義塾大学文学部第1類(通信教育課程)に入学。