逆張りの季節

著者:近藤 雅世
 投資で最も儲かる時期は、誰も思ってもいない状況で投資することだ。たとえば金投資で言えば、今年の5月にNY金なら1,300ドルで買っていれば、また東京金なら4,500円で買っていれば、1,537ドル、5200円の現在、237ドル、あるいは700円の約16%の利ザヤが稼げた。

 果たしてこの時期に的確に金を買うことができたかと言われれば極めて疑問であり、またその後の上昇局面でもまだ上がるとは思えなかった。これまでのところの正解はまだ上がるから買うべきであった。

 こうした順張りはなかなか難しいが、金価格が上昇した背景を考えればどこまで続くかはある程度予想できる。一つはマイナス金利であり、これは大資産家が今後預金に対して手数料がかかるようになるため預金を引き出さねばならないことがある。

 もう一つは外貨準備としての政府保有金が今年も積み上げられるものと思われる。しかし、そろそろ高値ではないかとの雰囲気もあり、ファンドのネット買い残は過去最高に積み上がっている。すでに大きな評価益を持っている投資家は価格が急落するまえにプロフィットテイクをする頃ではなかろうか。

 昨年秋にセミナーで金価格は上がるだろうと述べた時は、聴衆は半信半疑であった。私の根拠は金価格は2018年夏に1167ドルまで下がっていたため、そろそろ上がるというニュアンスであった。人々が半信半疑な時は振り返ってみるとかなり当たる。

 しかし、通常金に興味を持っていない多くの人々が金は高いから買うべきだと言い始めると、そろそろ売り時だなと思う。今はその時期ではなかろうか。少なくとも今から買うよりは売る方が期待値は大きいと思う。

このコラムの著者

近藤 雅世(コンドウ マサヨ)

1972年早稲田大学政経学部卒。三菱商事入社。アルミ9年、航空機材6年、香港駐在6年、鉛錫亜鉛・貴金属。プラチナでは世界のトップディーラー。商品ファンドを日本で初めて作った一人。2005年末株式会社フィスコ コモディティーを立ち上げ代表取締役に就任。2010年6月株式会社コモディティー インテリジェンスを設立。代表取締役社長就任。 URL:http://commi.cc/ eメール:kondo@commi.cc